12歳アイドルのヘリウムガス事故-日本小児学会が症状の詳細を発表

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flickr/Institute of Making

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今年の1月28日、12歳のアイドルがテレビ番組の収録で「大人用」と書かれたヘリウムガスを吸って意識を失い、救急搬送されたことを覚えているだろうか? この事故の詳細レポートが、「日本小児学会雑誌」の最新版に掲載された。

ヘリウムを吸った直後にけいれん

被害を受けた12歳の女児は、アイドルグループ「3B junior」のメンバーだった。BS朝日のテレビ番組「3B juniorの星くず商事」の収録中の事故の様子は、レポートには以下のように書かれている。

本人はテーブルに置かれたヘリウムガス入り スプレー缶を右手に持ち,左手で鼻をつまみ,司会者の合図で口にくわえて吸引した.4 秒ほどして缶を口から離した直後から右手を震わせ始め,約 5 秒後に後方へ卒倒した.受け身は取れずに後頭部を強打し,全身性強直性間代性けいれんを起こした.速やかに救急要請された 

病院到着時:手足が強く硬直

18時頃に発生した事故を受けて救急車が出動。救急隊が到着した際には軽度の意識障害と低酸素血症が認められたため、酸素投与をしながらの搬送となったそうだ。

18時42分に病院に到着した際には、手足が強く硬直していたという。

入院翌日:続く意識障害と左半身のけいれん

入院翌日になっても、意識障害や左半身のけいれんが認められたという。意識状態の改善が見られたのは、入院2日目だった。

入院6日目:再びけいれん

この時点まで、まだ診断は確定してはいなかったが、入院6日目に再びけいれんに襲われ、検査と経過から空気塞栓症の可能性と判断された。

転院:左半身の麻痺に改善傾向

転院した先で高圧酸素療法が行われ、左半身の麻痺などに改善傾向が見られたという。ヘリウムガス吸引をきっかけとした脳空気塞栓症と診断され、追加の高圧酸素療法などが行われた。

この時点では、記憶障害や注意障害、社会的行動障害などの高次脳機能障害を残す可能性が考えられたそうだ。

ヘリウムガスの吸引による事故は12年で32件

日本中毒情報センターによると、ヘリウムガスを吸引したことによる事故は、2001年4月から2012年3月までに32件。そのうち5歳以下が13件、6~12歳が18件だという。今回の事故と同様に声が変わるヘリウムガスのほか、風船のガスによる事故もあるようだ。

32件のうち16件で、意識消失や嘔吐、気分不良などの症状があったという。

「番組収録中の映像を公表、または報道する必要がある」

今回のレポートでは、事故発生当時の番組収録の映像を「貴重な映像」と表現。発生前から発生直後までが秒単位で記録されている映像を使い、科学的に検証することで予防法を考えられると主張している。

アイドルは3月10日に退院

日刊スポーツの3月31日の記事によると、今回事故にあったアイドルは、3月10日に退院し翌日から通学を再開したそうだ。

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