お腹を空かせた児童に無料でランチを提供した“給食のおばちゃん”が解雇

Text by

  • 0
flickr/U.S. Department of Agriculture

flickr/U.S. Department of Agriculture

日本の公立小学校では、月々数千円で食べられる学校給食。未払いはいけないことだが、親がお金を払わないからといって、子どもに給食が与えられないわけではない。未納分は”滞納”として扱われ、簡易裁判所で支払督促手続が行われることもある。

しかし海外には、何らかの事情でランチを我慢しなくてはいけない子どもがいる。

そんな子どもたちに手を差し伸べた”食堂のおばさん”が、クビになるという出来事があった。

ランチを買えずに泣いていた1年生

デンバー郊外の学校でキッチン・マネジャーとして働いていたDella Curry氏。彼女自身、2人の子どもを育てる母親だ。

彼女はお金が足りずに泣いていた1年生に無料でランチを与え、それが原因で学校を解雇された。

「規則を破ったのは知っている」

彼女は今回の解雇について、「規則を破ったのは知っている」とコメント。今回だけではなく、必要な子には無料でランチを提供していたことを認めた。

しかし、お金を持たされない子がランチを食べられない現行のシステムについて、「変えられるべきだ」と主張している。

学校側「お金を忘れてもランチは食べられる」

Curry氏の解雇について口を閉ざしていた学校側だが、彼女のことが報道され始めると学校側のポリシーをウェブサイトに掲載した。

それによるとお金を忘れても3回までは無料でランチが提供されるという。それ以降はチーズ・サンドイッチ(ときにはターキー・サンドイッチ)とミルクが与えられているそうだ。

Curry氏はこの対応についても「チーズ一切れをパンに挟んだだけのものを食事とは呼べない」とコメントしている。

貧しい家庭には”昼食無料”のプログラムがある

学校で昼食が食べられない子は、どんな事情を抱えているのだろうか。アメリカには経済的事情で昼食が買えない子に、無料もしくは格安で昼食を提供するプログラムがある。

このプログラムの対象となっている子には、夏休みの間もランチが支給される。

Curry氏はこのプログラムを受ける基準が「厳しすぎる」と主張。また、プログラムを利用できるのに申請しようとしない親には電話をして話をしたこともあるそうだ。

「それでもランチ代を持たされない子がいる。ほかに手がない時にだけ、無料のランチをあげていた」とCurry氏はコメントしている。

解雇後に子どもの親から電話が

彼女が解雇されたあと、困り果てた親から電話をもらったこともあるそうだ。

しかし彼女が心配しているのは、電話が来ない家の子どもだという。プログラムに申請を促そうとしても連絡が取れず、Curry氏が解雇されても電話が来ない親を持つ子は、「辛い夏休みを迎えるだろう」とコメントしている。

Curry氏が心配している子どもたちへは、大人の助けが必要なのは明らかだ。

アメリカでは現在、学校でのランチのあり方が見直されており、栄養バランスを考えた食事を提供している学校が増えている。

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking