体内に薬を運ぶナノボットが3Dプリントで実現する?

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Advanced Functional Materials

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さまざまな分野からその可能性に期待がかかる3Dプリンティングだが、医療の分野も例外ではない。

スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)は、21名のノーベル賞受賞者を輩出、かのアインシュタインの出身校としても知られる、欧州有数の工科大学だ。

そこで進められている最先端の研究のひとつに、「体内を泳いで物質を運ぶ微小ロボット(ナノボット)」がある。

粘土のように材料を盛り付けて微小構造を造形

この研究において鍵となるのが、「付加製造(Additive Manufacturing)」と呼ばれる3Dプリンティングならではの技術。粘土でつくる塑像のように、材料を付加しながら製造していく造形方法のことをいう。

まず、磁性を帯びたナノ粒子を注入したエポキシ樹脂をレーザーで加工し、長さ60マイクロメートル・直径9マイクロメートルのコイル状構造を持った微小装置を作成。このデザインによって、コースを逸れず連続的に泳動でき、かつ操縦も可能なナノボットができあがる。

このナノボットをさらに生医学材料でコーティングし、べん毛(遊泳に必要な細胞小器官)のような機能を追加する。3Dプリンティングにより、このべん毛部分にもねじれや二重らせんなどのさまざまな形状を持たせることができるのだ。

近未来の医療応用に大きな期待

このナノボットにより、体内のターゲットへと薬剤を運搬したり、特定部位のリモートセンシングや、より非破壊的な手術などを実現できるのでは、との期待が高まっている。

私たちの体内で、知らない間に上図のようなナノボットがせっせと働いて、問題箇所を治してくれる…この研究が完成すれば、近未来の医療はそんな形になるのかもしれない。

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