食卓からハマグリやカキが消える?気候変動で生息地が激減の危機

2014年06月03日 12時00分

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shutterstock
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温室効果ガス等による地球規模の気候変動で、貝類の生息地の大半が失われる――アメリカの研究者が警鐘を鳴らしている。

軟体動物に迫る危機 他の海洋生物にも影響

これは、カンザス州立大学の研究員Erin E. Saupe氏が生物地理学のジャーナルに発表した研究によるもの。

Saupe氏は、代表的な貝類の生態と生息地の環境を調査し、数学的なモデル環境を構築。このモデルを使い、気候変動による海水温の上昇に伴い、貝類などの軟体動物が生息地をシフトできるかどうかシミュレーションした。

その結果、シフトは期待できず、貝類の生息地が大幅に失われるということが明らかになったのだという。

貝類は他の海洋生物の食料源でもある。それらが消えてしまうと、生態系全体が影響を受ける可能性がある。

また貝類は、水の汚れを洗浄するフィルターのような役割も果たしている。このため、貝類が生息しなくなれば、その海域の水質も低下する恐れもあるのだという。

水産、医療などの産業にも打撃

貝類の大幅な減少の影響は、食の嗜好のみにとどまらない。

例えば、イモガイの貝毒が鎮痛剤として使われるなど、貝類は医療分野への貢献も大きい。また言うまでもなく、水産業界には大きな痛手となり、経済的にも大きなインパクトとなるだろう。

気温が上がる、海面が上昇する、食糧危機に陥る、等々、気候変動についてはさまざまなリスクが挙げられているが、漠然とし過ぎていて想定しづらいという人も多いと思われる。

しかし、「おなじみの味覚が食卓から消える」といった身近な例であれば、危機感を抱く人も増えるのかもしれない。

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