自家製厳禁!他人の”冷凍うんち”が耐性菌感染症の治療薬に

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健康な人の大便を冷凍しカプセルに封じ込めた薬が、クロストリジウム・ディフィシル感染症という病気の治療に効果を発揮することが、Ilan Youngster医師らの研究グループによって明らかにされた。

耐性菌「クロストリジウム・ディフィシル」

クロストリジウム・ディフィシル感染症は、下痢や発熱、腹痛や脱水、血便、重症となれば腸閉塞や敗血症を起こしたり、死に至る場合もる危険な病気で、病院や老人施設などで集団感染が起こるケースが多い。

原因菌のクロストリジウム・ディフィシルは健康な人の腸にも存在しているが、普段は他の細菌によって増殖が抑えられているため害をなさない。しかし、抗生物質の長期使用によって腸内の細菌バランスが崩れてしまうとことによりこの細菌が増殖し、感染症を発症してしまうのだ。ちなみに、クロストリジウム・ディフィシルはほとんどの抗生物質が効かない耐性菌だ。

アメリカでは、このクロストリジウム-ディフィシル感染症感染症によって、毎年1万5000人から2万人の患者が死亡していると推計されている。

健康な人の便を投与して腸内細菌を正常化

Youngster医師らの研究グループは、この感染症の患者20人に、健康なドナー4人の便を冷凍して作成した30のカプセルを投与した。

健康な人の便に含まれる腸内細菌を取り込ませることによって、バランスの崩れた腸内の細菌環境が正常化しようというわけだ。

この結果、14人の患者が軟便を硬化させ、症状が改善。そして残りの6人のうち4人も、後に症状が改善されたのだという。

「自家製」は厳禁

さすがに材料が便なだけに、研究グループも慎重だ。同グループはその効果を認めながら、「大規模調査によって、この治療の長期的な安全性と有効性を評価する必要がある」と、さらなる調査の継続が必要だとしている。

そして、Youngster医師は、このリリースを受けて”自家製”のカプセルを作ろうとしている人がいたら、絶対にやめるようにと警告している。

便はさまざまな病気を引き起こす細菌を大量に含んでいる。治療薬となりうる健康な便を持つドナーから提供された材料を、厳格な医学的管理のもとで投与しなければ、別の病気を発症しかねないからだ。

なかなか考えにくいことではあるが、自宅でこの治療薬を作って、患者に投与するのは絶対にやめよう。

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