ウィキペディアでウイルスの流行を予測できる?米科学者が提唱

Text by

  • 0
flickr_Eneas De Troya

flickr_Eneas De Troya

米ロスアラモス国立研究所の研究チームが、病気の流行予測に、ウィキペディアが役立つ可能性があるとの調査結果を発表した。

病院に行く前にネット検索することを利用

現在、病気の流行予測は、医療機関がその病気を診断した患者の数を集計するなどして行われている。しかし同研究グループは、従来の方法は正確ではあるが、遅い上にコストもかかると指摘。

近年は、体の調子が悪い時に、医療機関に行く前にオンライン検索をする人が多い点に着目。ウィキペディアのそれぞれの病気のアクセス数で、予測ができるのではないか、と考えたのだという。

ちなみに、こうした試みは以前にも行われており、その際はGoogleの検索キーワードが指標として利用された。

14例中8例の流行で予兆があった

研究グループは、過去の感染症の流行の際、ウィキペディアのアクセス状況にその兆候があったかどうかを調べるために、2010年から2013年までの間に、流行した感染症の項目の、各言語ごとのページビューを集計、分析を行った。

すると、調査対象とした14例の病気の流行中8例について、保健当局が発生を宣言する4週間前に、ページビューの明確な増加が見られた

具体的には、アメリカ、ポーランド、日本、タイにおけるインフルエンザの流行、ブラジルやタイでのデング熱、タイにおける結核の流行などの兆候を確認できたのだという。

研究チームは、こうした仕組みを利用すれば、将来的には天気予報同様に、病気の流行予測をチェックして、迅速な対応に役立てることができるのではないか、と主張している。

ネットが普及した国でしか確認されていない

先日、ウィキペディアに書かれた医学的な情報には誤りが多い、との報道があった。いつ、どの地域から、どれだけのアクセスがあったのか、という情報は、ひょっとしたら、そこに書かれている情報よりも有効に活用できるのかもしれない。

もっとも、この調査はインターネットへのアクセスが乏しい国まではカバーされていない。そのため他の研究者からは、過信することには慎重であるべきだ、とする意見もあるようだ。

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking