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おしえて企業さん 第5回:『フルーチェ』が40年以上も愛され続けるワケは?開発秘話、こだわりの食べ方、幻の商品に迫る

こんにちは、かみーじょ(@kamiiiijo)です。

連載「おしえて企業さん」第5回は、牛乳と混ぜるだけで簡単に作れるハウス食品の『フルーチェ』について。

1976年に発売されてから今もなお、お家デザートの代表格となっているロングセラー商品。

そんな「フルーチェ」が長く愛される理由を、ハウス食品フルーチェ開発担当の光安真佐子さんに伺いました。

フルーチェ開発担当の光安真佐子さん

子供がターゲットのインスタントデザート

−−『フルーチェ』の誕生のきっかけはなんでしょうか?

「1970年代にレトルト食品が誕生し、弊社でも多くの商品を発売しました。もっとレトルトを広めるにはどうしたらいいのかと考えた時に、新しいものに抵抗がない子供に手にとってもらえる“甘いもの”がいいと考え、『フルーチェ』の開発に取り組みました」

『フルーチェ』の商品名は、フルーツ×ドルチェの造語です。

フルーツのフレッシュさと、甘いものが贅沢品だった時代背景がマッチして、発売当初から注目を集めました。

「牛乳を混ぜるだけという手軽さも、当時は新しいものでした。火を使わないので子供でも作ることができ、ファミリー層に支持される商品となりました」

スイーツは、今であればコンビニで簡単に購入できますが、当時は家で手作りするのが一般的でした。

だからこそ混ぜるだけの手軽さは、消費者の心をがっちりと掴んだのかもしれません。

親から子へ受け継がれるスイーツ

−−40年間も愛され続けている理由はなんでしょうか?

「理由はいくつかありますが、1番は子供の頃に『フルーチェ』を食べていた方が、大人になり自分の子供に食べさせるというサイクルを作り出せたことだと思います。まさに私もそうなのですが、母が『フルーチェ』が大好きだったので、小さい頃よく一緒に作って食べていました」

「他には、先ほどお伝えした“手軽さ”とぷるんとした“独特な食感”。見た目が変わることでデザートを作っているという“ワクワク感”も選んでいただく理由だと考えています」

混ぜるうちに固まる、あのワクワク感は今でも思い出します。

食べる前に冷やす、冷やさない論争

光安さんによれば、『フルーチェ』を作ってすぐ食べる派と、1度冷蔵庫で冷やしてから食べる派がいるそう。

−−光安さんはすぐ食べる派、冷やす派どちらですか?ちなみに私は冷やす派です。

「実は私も、この会社に入る前は冷やす派だったんです。でも今はすぐ食べる派です」

−−どうして入社後に変化があったのですか?

「ハウス食品では、常温の『フルーチェ』に冷えた牛乳を入れて混ぜ、固まったその時が1番美味しくなるように作っています。パッケージの裏面にも、そのように作り方を記載しています。」

確かに、“でき上がりがゆるかったら30分冷やしてね!”と記載してあり、あくまでゆるかったらという条件が付いています。

「開発担当になり、この作り方でつくった出来たて『フルーチェ』を食べた時に、すごくなめらかで美味しくて……それ以来、すぐ食べる派になりました」

美味しく作るポイントは、常温の『フルーチェ』と冷えた牛乳!覚えておきましょう。

“ぷるん”の影に地道な改良あり

−−ぷるんとした食感の秘密はなんでしょうか?

「果物の食物繊維に含まれるペクチンと、牛乳のカルシウムが反応してあの食感になります。

しかし、牛乳によってカルシウム量が異なりうまく反応しないことがあります。そんな出来のムラをなくし、どんな牛乳でも美味しく作れるように、定期的に全国の60種類の牛乳を集めてきちんと固まるかを確認しています

スーパーの牛乳売り場を見てわかる通り、さまざまな牛乳が販売されています。

次々と現れる新商品にも対応できるよう地道な取り組みを行っています。

まぼろしの“野菜フルーチェ”

ベジタブル フルーチェ /ハウス食品

2008年には、野菜を使った『ベジタブルフルーチェ』が発売されました。※現在は生産終了しています

−−商品名の由来であるフルーツではなく、野菜を取り入れたキッカケはなんでしょうか。

2008年当時、消費者の健康志向の高まりにより、野菜を使った商品が注目を集めていました。

そこで、弊社でも野菜を使った商品を作れないかと考えて『ベジタブルフルーチェ』が生まれました。

残念ながら、既存の『フルーチェ』を超える人気商品にはならず生産終了となってしまいましたが、今でもお客様からアイデアを募集する企画で、そのアイデアの1つとして登場する商品です」

フルーツミックス味で食べやすく、野菜嫌いの子供を持つ親には大変重宝されていたようです。

今となってはまぼろしの商品となってしまった野菜のフルーチェ、食べてみたかった……。

プチ贅沢ブームに乗った“濃厚フルーチェ”

贅沢フルーチェ/ハウス食品

果肉を通常の2倍使った『贅沢フルーチェ』が2014年に発売されました。

——『贅沢フルーチェ』はどのように生まれましたか。

2014年は“プチ贅沢ブーム”が起こり、スイーツ業界は濃厚な味が求められるようになりました。

通常の『フルーチェ』よりさらに果肉を足して、まるで本物の果物を食べているかのような贅沢で濃厚な味わいを目指し誕生しました」

−−反響はいかがでしょうか。

「おかげ様で好評いただいています。『贅沢イチゴ』『贅沢ピーチ』『贅沢ミックスベリー』の3種類の味を展開しています。

特に『贅沢イチゴ』はイチゴ果肉に加えて、ラズベリーピューレを使ったフルーツの濃厚な味と香りを楽しめる商品で大人の女性に人気が高いです」

この商品を通して、従来のターゲットだった子供だけでなく、大人の女性の購入が増えたそうです。

SNSでも大人気の『フルーチェ』

−−若者を中心に、SNSで『フルーチェ』が話題になっていると聞きました。

「最近気になったのは“(フルーチェを作りながら)をつけるとどんなセリフも可愛くなる”という話題と“夢の1人食べ”です」

▼(フルーチェを作りながら)をつけるとどんなセリフも可愛くなる

Twitterでハッシュタグ#推しのセリフにフルーチェを作りながらとつけると唐突に壮絶可愛いが話題に。

好きなキャラクターのセリフに(フルーチェを作りながら)をつけた投稿が増えました。

▼夢の1人食べ

通常のフルーチェ1箱(4人前)を1人で食べることに幸福感を得る人が続出。1人食べ報告がSNSに続々と寄せられています。

−−これらの話題についてどのように考えていますか?

「消費者の中でトレンドが生み出されていくのは『フルーチェ』が愛されている証拠だと思いますし、大変光栄なことです。

特に“フルーチェ=可愛い”という認識は新鮮で、社内でも驚きの声が多かったです。みなさんがどのように『フルーチェ』を楽しんで頂いているのかを知るキッカケにもなり、SNSの反響は毎回チェックしています」

他にもフルーチェダイエットやアレンジレシピなど、SNSでは『フルーチェ』を独自の目線で楽しんでいる方が多く見受けられました!

発売以来40年以上も人気が衰えない、まさにロングセラーの『フルーチェ』。

これからも手作りデザートの王道として、世代を超えて愛され続けてほしいです。

 

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