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なぜ『雪見だいふく』は冬の定番アイスになったの?:おしえて企業さん(10)

こんにちは、かみーじょです。

ロングセラーの裏側を聞く連載『おしえて企業さん』第10回は、ロッテアイスの『雪見だいふく』です。

業界では珍しい“冬に売れるアイス”の誕生秘話について伺いました。

秋冬にもアイスを食べてほしい

雪見だいふく初期パッケージ/株式会社ロッテ

雪見だいふく初期パッケージ/株式会社ロッテ

——『雪見だいふく』誕生のきっかけを教えてください。

ロッテ中田さん(以下中田さん):当時ロッテは菓子メーカーとしては人気の菓子商品を持っていましたが、アイスに関しては劣位であり、それまでに無いような画期的な商品を作りたいと考えていました。

開発当時、アイスは夏に食べるのが一般的で秋冬を代表するアイスはありませんでした。

そこに可能性があると考え「秋冬にもアイスを美味しく食べて欲しい」という思いから開発を進めました。

——アイスの需要が少ない秋冬に売り出すために工夫した点はなんでしょうか。

中田さん:「秋冬」にもアイスを楽しんで欲しいという思いで商品が生まれましたので、販売期間も「秋冬」に限定し、夏季は販売を休止しました。

また、当時のほとんどの家庭にあった「こたつ」に入って外の「雪景色をみながら、雪見だいふくを食べる」情景を幸せの象徴的なシーンとしてテレビCMにおとしこみ伝えました。

暑い夏に涼を求めてアイスを食べるシーンとはまた違った、寒い冬でも暖かい部屋でほっこり幸せな気持ちでアイスを食べるシーンを魅力的に伝え、アイスを楽しむ機会を拡大しました。

——当時では珍しい「おもち+アイス」の組み合わせを、消費者に定着させるために行った秘策はなんでしょうか。

中田さん:それまでに無い発想の商品を、特徴的に伝えられた事が発売時からお客様から支持してもらえた理由だと思います。

もちろんテレビCMで、多くのお客様に新商品登場と商品特徴をお知らせしました。

ただ、今でも当時の『雪見だいふく』発売時に強烈な印象を受けた、とお客様に言っていただけるくらい、商品がとても画期的なものだったから、消費者に印象深く定着していったと考えています。

「おもち+アイス」の組み合わせや「包む」というだいふく形状の新しさ、また冷たいアイスのパッケージが赤いのも当時珍しく店頭でも目立ちました。

商品化後は特許を取得し、他には無い特徴をもった『雪見だいふく』を世の中に定着させました。

 

心の距離を縮める2個入りのアイス

——1つの商品に2つのアイスが入っているのはなぜでしょうか。

中田さん:雪見だいふく1個分は一般的なだいふく1個分のイメージで作っており、雪見だいふく2個分でちょうど一般的なアイス1個分のボリュームになります。

この2個入りは、もちろん1人で食べていただいても美味しいですし、家族や友達や大切な人と一緒に分けて食べるのも楽しいと思います。

また普段距離を感じる方と一緒に食べて「ふく分け」してもらう事で心の距離が縮まると共に、誰かに優しくできた事で自分自身も幸せな気持ちに包まれると思います。

——左右両側からも開封できるようパッケージが工夫されているのはナゼでしょうか。

中田さん:右ききの人も左ききの人も開けやすいように、両側から開けられるようにしています。

 

こんなにあったレアパッケージ

『雪見だいふく』のパッケージには、それぞれ違いがあるのをご存知ですか?

現在発売中の商品パッケージはこちら。

▼年末年始限定パッケージ

2016-2017ふくが大きいパッケージ/株式会社ロッテアイス

1年のうち年末年始の期間限定で登場しているのが、こちらの4種類のパッケージ。

「ふく」の文字が大きく、「雪見うさぎ」がふくよかになっている3パターン。

加えて、最もレアなのは右下の「ふく」の文字が漢字の「福」になっているパッケージ。

見つけたらさらに幸せな気分になれるかも!

▼おしるこパッケージ

おしるこ味パッケージ/株式会社ロッテ

おしるこパッケージ/株式会社ロッテアイス

新フレーバー「おしるこ」のパッケージは、こちらの5種類。

あけくちと雪見うさぎのバリエーションが違う5パターンのデザインがあり、最もレアなのは右下の雪玉がうさぎになっているもの。

ランダムで店頭に並ぶので、ぜひレアパッケージを探してみてください!

▼うさぎ柄のレアフォーク

また、フォークにも仕掛けがあります。

雪見だいふくのフォーク/株式会社ロッテ

雪見だいふくのフォーク/株式会社ロッテアイス

発売時のミントグリーンから、2013年にピンクに変わっています。

絵柄は全4種類で、うち3種類にはハートが1〜3個ついたおみくじ仕様。

レアフォークは、絵柄がうさぎになっています。

 

個性と向き合い進化を重ねている

——35年間愛され続ける理由をどのように考えていますか。

中田さん:35年経ちますが、データをとると毎年多くの新しいお客様から買っていただいています。

沢山の新商品が並ぶアイス売り場で、『雪見だいふく』を選んで食べてくださるお客様に支えられて35周年を迎える事が出来ました。

変わらない安心感を届けると共に、「おもちでアイスを包んでいる」他には無い個性に向き合い続ける事で進化を重ねてきました。

今後お客様に愛してもらう為には、『雪見だいふく』ならではの安心感や癒しを届けつつ、進化を重ねて新しい提案をし続けていく事が必要だと思っています。

これからも食べた人の心を包み、小さな幸せを届けられる商品でありたいと思います。

“秋冬限定”“おもちで包まれたアイス”と今までにない隙間を狙った商品は、定着させることが難しかったはず。

そんな背景がありながらも、消費者に受け入れられている裏には、ロングセラーならではの安心感と進化を続ける企業努力があることがわかりました。

コンビニやスーパーのアイスコーナーに立ち寄ってみてください。

もしかしたら、レアパッケージの『雪見だいふく』があなたに見つけてもらえるのを待っているかもしれませんよ。


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