脳スキャンで子どもの発達障害を診断できるようになるかもしれない

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発達障害の一つである注意欠如・多動性障害(ADHD)。じっとしていられない、物事に集中できない、順序立てて行動を起こせないといった症状がみられる。

そうした症状がどれくらい頻繁にあるのかなどでADHDは診断されるが、脳スキャンで診断を行えるようになる日がくるかもしれない。

回路の接続部分が未発達

ミシガン大学のChandra Sripada博士らが行った研究で、ADHDの子どもの脳は、非現実的な思考をコントロールする脳ネットワークと、物事の対処にあたる脳ネットワークの接続部分が未発達であることが確認された。

ADHDの子ども275人の脳スキャンと、ADHDではない子ども48人の脳スキャンを比較して明らかになった。

研究チームによると、脳のネットワークは神経回路の集まり。神経回路はそれぞれの役割があり、ヒトが何かを行うときこのネットワークが互いに接続してなされる。

例えば、1枚の絵を見るとしよう。1つの神経回路では絵の色や形についての情報を処理し、別の神経回路では絵に関連する記憶を思い起こすなどして、絵を見るという行為を構成している。

しかしADHDの子どもは、このネットワークの接続部分が発達していないのだという。そのために、非現実的な思考、そしてそれに伴う行動、いわゆる多動や突発的な動きにつながると推測される。

症状が顕著でなくても診断

これまでの研究では、ADHDの子どもは正常の子どもに比べ大脳部分が小さい、右脳と左脳が対象に成長していない、などの傾向があるとされている。しかし、今回の研究は、脳内のネットワーク接続部分に注目したものだ。

この診断手法を活用すれば、「周りの子どもと比べてちょっと行動がおかしい」くらいのケースでも正確な診断が下せるようになるとのこと。

さらには、今後この接続部分の成長を促す成分の研究を進めることで、新たな治療に道が開ける可能性もあるという。

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