170人全員が株主で取締役 NEET(ニート)株式会社に期待

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仕事も通学もしていない全国のニートの若者約170人が株式会社を設立した。12月18日付の東京新聞が報じるところによると、「弱者として扱われるのはごめんだ」と全員が株主兼取締役となり、自分たちの力で新しい仕事や働き方を探している。

11月下旬に東京都内で開かれた「NEET(ニート)株式会社」の設立総会。取締役たちがパーティーの企画代行やゲーム、Tシャツの販売などの事業案を発表した。4月からインターネットで参加を募集。6月の説明会にはネット中継も含めて約3千人が参加した。一人当たりの出資は基本的に1株5百円を12株、6千円。就職がうまくいかない人や引きこもりの人、資格や技能があっても働いていない人たちが現在、ネット上や合宿で話し合い、事業案の具体化を進めている。

同じ18日付の朝日新聞で、法政大学教授の児美川孝一郎(こみかわこういちろう)さんが、「企業の正社員をめざす大学教育と就活支援は転機にある」と指摘し、かけがえのないモラトリアム期間を犠牲にしてまで手に入れた過酷な時間外労働と管理職への服従を旨とする大企業正社員という生き方が、ほんとうにいいものなのだろうかという問題を提起していた。

ニート株式会社の設立を呼び掛けた一人、慶応大SFC研究所で社会コミュニケーションを研究する若新雄純(わかしんゆうじゅん)上席所員は「ニートは一般の価値観からは偏っているとしても、劣っているわけではない。少数派でも多様な人材」と強調する。15~34歳の人口の2.3%を占め、過去最高の63万人に達したニート(2013年版「子ども・若者白書」)だが、Tシャツ販売グループの末日吉辰也(すえひよしたつや)さん(25)や生熊沙耶(いくまさや)さん(30)は、「自分がいいと思うものを描き、買ってくれる人がいたらうれしい」「球を打つうちにホームランが出たらいいな」と、彼ららしい感性で語った。彼らのこれからに期待しようではないか。

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