日本、外交「袋小路」 ~安倍首相では無理。進退問題へ発展も~

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中韓の反発に対する日本国民のナショナリズムの高揚という「追い風」を最大限に利用して全速力で進む帆船のようであった安倍政権が、一転、この時期に日本の内閣総理大臣が靖国神社参拝を強行するという外交センスが完全に欠如したその政治姿勢ゆえに、国際社会という入り組んだ道の「袋小路」にはまってしまった。

1月3日付の毎日新聞が報じるところによると、伏線は昨年4月。米国のバイデン副大統領と会談し帰国した直後の麻生太郎副総理が靖国神社に参拝し、それを安倍首相が「わが閣僚はどんな脅しにも屈しない」と擁護したことだった。外務省の幹部によれば、「副大統領の神経を逆なでし、米政府全体があれでいっぺんに“日本の安倍政権は一体何を考えているんだ”という空気になった」と振り返る。

その後米側は「靖国に参拝するな」というメッセージを行動で示す。昨年10月、来日中のケリー国務長官とヘーゲル国防長官は靖国でなく東京都千代田区の千鳥ヶ淵戦没者墓苑へ献花。これほど明白なメッセージを受けてもわかっているのかいないのか、12月に安倍晋三首相は靖国参拝を強行。しかも米政府の「失望」声明発表後の今年の元旦に新藤義孝総務相が靖国神社を参拝。ある防衛省幹部は「日中韓関係の改善に奔走してきた米国の顔に完全に泥を塗ってしまった。米国との信頼関係をかなり傷つけた」と肩を落とす。“辺野古埋め立て”という米政府へのプレゼントも、外務省幹部は「参拝で効果は半減だ」と嘆く。

1月3日付の東京新聞「本音のコラム」では、元外務省主任分析官の佐藤優(さとう まさる)氏が次のような懸念を示している。本年2月7日にロシアのソチで開幕する冬季オリンピックの開会式に出席することをプーチン大統領から強く要望されている安倍首相が、開会式に出席せずに、同じ日に予定されている「北方領土返還要求全国大会」での首相挨拶を優先すれば、そうでなくてもロシア外務省から靖国参拝にかんして公式に批判されている日本の首相は「オリンピック開催のハレの日に、反露的なキャンペーンを行った」という報道がなされるだろうと。

佐藤氏はさらに、「中国は、第二次世界大戦に対する評価という歴史問題をカードとして用い、韓国・ロシア・米国を加えた日本包囲網を形成しようとするであろう」と危惧する。また国連の潘基文事務総長は韓国の朴槿恵大統領に新年挨拶の電話をかけた中で、安倍晋三首相の靖国参拝に言及し、「世界が協力と平和に進むべきなのに信頼を破って周辺国を傷つけてはいけない」と、日本の安倍政権を批判した(3日付東京新聞)。このような状況では、拉致問題の解決など夢のまた夢だと言わざるをえない。

結論から言うと、安倍首相では無理だ。外交感覚の無さが、もはや許容できないレヴェルに達している。進退を考えていただくのにあたいする段階に入っている。自由民主党は日本国民のために、安倍晋三氏に替わる総裁を早急に選出すべきであろう。石破茂氏では同じことになってしまうが、岸田文雄外相でも小野寺五典防衛相でもいい。速い方がいい。

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