国税庁「2012年平均年収は正社員468万円、非正規168万円」 賃上げ春闘も非正規は蚊帳の外

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河添誠公式twitter

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国税庁が昨年発表した統計調査によると、2012年のサラリーマンの平均年収は民間企業の正社員の平均で468万円。これに対し非正規労働者の平均年収は168万円だった。2月20日付の東京新聞が報じるところによると、2014年春闘は多くの企業の労使交渉で基本給を一律に底上げするベースアップ(ベア)の実現が焦点になっているが、賃上げが話題になるのは業績回復が顕著な大企業の正社員が中心で、全労働者の約4割に達した非正規労働者には賃上げはほど遠い実態が問題視されている。

安倍晋三首相は17日の衆院予算委員会で「(派遣労働者を)増やすべきだとは全く考えていない」と答弁したが、総務省によると2013年の最終的な非正規労働者数は約1千967万人。労働者全体の約36.6%となり過去最高を更新した。非正規は冒頭にあげた賃金面だけでなく、短期で契約を結ぶため企業からは雇用の「調整弁」とみなされている。みずほ総合研究所の杉浦哲郎副理事長は「単純作業の非正規が増加すれば結局は日本の技術力の低下を招き、日本経済の弱体化につながりかねない」と指摘する。

今春闘で労働組合はベアだけでなく、非正規の待遇改善も訴えている。ただ政府は、派遣期間を最長3年と定める労働者派遣法を改正し、来春から無期限の派遣継続を可能とする方針を示した。これにより企業は何年でも派遣社員を使い続けられるようになり、正社員が非正規に次々に置き換えられていく環境が整備されようとしている。

非正規労働者を支援する労働組合「プレカリアートユニオン」の清水直子書記長は「政府は大企業には賃上げを求める一方、賃金の低い非正規の労働者数は増やそうとしている。安倍政権の経済政策は矛盾ばかりだ」と指摘した。

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