たとえわずか数年であれ、音楽教育を受けると脳の機能が強化され、言語能力に好影響を与えることが判明 

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flickr_Roger's Wife

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好きな音楽を聴くと、脳の報酬系が刺激され、喜びやくつろぎを感じるが、音楽は私たちの思考にもよい影響を及ぼすようだ。

長年訓練を持続している音楽家は音の高低、騒音の中で人の音声を聞き分ける能力に長けているため、外国語の処理能力も優れていることがこれまでの研究で分かっているが、子どもの頃にほんの数年、楽器を習ったことがあるぐらいでも、メリットはあるのだろうか?

『神経科学学会誌( Journal of Neuroscience)』に発表された研究結果によれば、答えは「イエス」だ。

米国ノースウェスタン大学聴覚神経科学研究所が大人45人を対象に、音楽教育を受けた年数ゼロ、1~5年、6~7年のグループに分けて実験を行ったところ、音楽教育を受けた年数がわずかであっても、異なる音を処理する能力が強化されていること、とりわけ、騒音の中から基本周波数を取り出す能力が、音楽教育を受けていない人よりも優れていることが分かった

運動が肉体の健康に良い影響を及ぼすのと同様、音楽は脳の聴覚を鍛える手段となる。

人の音声をきちんと認識するには、基本周波数を識別できる能力が不可欠であり、様々な騒音が交錯する現代の複雑な環境では、異なる音をいかに認識して処理するかが重要な要素となるのだ。

子どもの頃に受ける音楽教育は、言語能力、日々のリスニング能力に大きな恩恵を与えるため、学習障害のある子ども、英語を第2外国語とする人にもとても大切になってくる。

また、音楽の訓練を積んでいる子どもは、読む能力、数学の能力にも長け、知能テストで高得点をマークしていることから、聴覚のみならず、脳の一連の機能が強化されていると考えられる

昨今の経済状況により、学校教育、課外プロジェクトの予算、人件費は削られる一方だ。音楽教育もその影響を受けているが、音楽の効果は科学的にも証明されており、長い目で見たシステムの構築が求められるだろう。

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