ハーバード大学の生体工学者たちが、半分が生きている細胞、半分が電子機器という「サイボーグ組織」を作り出すことに成功

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flickr_WHITEHORSE7

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この「サイボーグ組織」、細胞のほうは普通の細胞だが、センサーネットワークとしてナノワイヤーとトランジスタが用いられ、これらの電子機器がコンピューターと細胞を直接結びつけているのだとか

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細胞から“サイボーグ組織”を作るには、まずは細胞の成長を促すための足場、“スカフォールド”を用意する。これには動物の結合組織を構成するコラーゲンを使い、その母体にナノワイヤーやトランジスターを組み込んで「ナノエレクトリック・スカフォールド(nanoES)」を作る。すると、組み込まれたセンサー・ネットワークを用いてニューロンや、心臓細胞、筋肉、血管が成長し、“サイボーグ組織”が作られていくというわけだ。

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今のところ、ハーバードの研究チームはラットの組織を成長させることを中心に取り組んでいるが、人間の「サイボーグ血管」を1.5センチ成長させることにもすでに成功している

今は細胞のデータを読み取ることに活用しているだけだが、次の段階として、コンピューターを用いて人間の細胞とコミュニケーションを取ることを目標としているらしい。

それが実現すれば、すぐにアドレナリンの刺激が必要になった場合は、スマートフォンのボタンを押して交感神経系に直接アクセス、なんてことが将来的に可能になるかもしれないのだ。

また、“ナノエレクトリック心臓細胞”のパッチを当てておけば、自分の心臓に問題が生じた場合にすぐにそのレポートが送られる、あるいはナノエレクトリック・センサーネットワークが血管や組織の炎症、閉塞、腫瘍を発見する、ナノエレクトリック細胞が発する電気パルスが血流に投入されたマイクロロボットをガイドし、病原菌をやっつける、なんてことも夢ではないのかもしれない。

だが、そこまでたどり着くにはまだまだ長い道のりが待っている。目下の「現実的利点」は、このサイボーグ組織を用いて動物実験を回避し、薬や物質の毒性をテストすることにあるようだ

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