【米研究】母親の脳に息子の細胞が存在することが判明 アルツハイマー発症の防止になっている可能性もあり??

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flickr_Au Pair in Argentina

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妊娠中に母親と胎児が細胞を交換し、その細胞が妊娠終了後も数十年にわたって、互いの体内に存在することは以前から知られていた。この現象をマイクロキメリズムと言うそうだ。

マウスの実験では、マイクロキメリズム細胞が母親の脳に存在することが確認されていたが、最近の研究で、人間の母親の脳にも存在すると分かり、科学ジャーナル『プロスワン』に発表された。

32歳から101歳で死亡した女性59人の脳を調べ、息子の細胞に由来するDNAの有無を確認したところ、約3分の2にあたる39人の脳の複数の部位にY染色体が存在したそうだ。そして、脳に男性のDNAを持つ女性は、生前アルツハイマー等の脳疾患にはかかっていない傾向があることも分かった。(娘の細胞を対象にしなかったのは、母親の細胞との区別がつきにくいからだとか)

脳には血液脳関門という防御システムがあり、病原菌や有害な薬物が脳へ侵入するのを防いでいるが、この機能が妊娠中は弱まると言われており、こうした現象と、息子の細胞が母親の脳へ移動する現象には何らかの関係があるのではないかと専門家は見ている。

ただ、過去の研究によれば、妊娠回数の多い女性のほうが、子どもがいない女性よりもアルツハイマーになるリスクは高い。

マイクロキメリズム細胞は、乳がんの防止や組織の修復に貢献する一方、大腸がんや自己免疫疾患を誘発する可能性もあるそうで、有益なのか、有害なのかはまだわからない。アルツハイマーとの関係、母親から移動した細胞が子どものほうにどのような影響を与えているのかなど、今後さらなる研究が必要だ。

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