体力のある子どもは国語や算数の成績もよいと判明 体育の授業を削減している学校にとっては皮肉な結果に:米調査

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flickr_Official U.S. Navy Imagery

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アメリカでは公立学校の教育費が削減され、音楽、体育、美術の授業がそのあおりを食っている。体育は選択制になり、学校によっては授業を行わず、その分の時間を国語や算数に当てている場合も多い。経済的に余裕のある家庭は子どもに“習い事”をさせて音楽やスポーツの分野を補えるが、そうはいかない家庭もあり、格差が出てしまう。

ネブラスカ州リンカーン市の非営利団体〈Healthy Lincoln〉の代表Dr. Bob Raunerと、リンカーン市の複数の公立学校、Creighton University(州の私立大学)の研究者が共同で、 市内の公立学校4年生から8年生を対象に、2010年から2011年の行われた標準テスト(算数と国語)の点数と、有酸素運動への適応度および肥満度指数(BMI)との関係を調査・分析した。

その結果、有酸素運動への適応度が高く、体力のある子どものほうが、そうではない子どもより標準テストで合格点を獲得する確率が2.2倍から2.4倍高くなることが分かった。これは体育を削って算数や国語の授業を増やしても逆効果に成りかねないことを示唆しており、Dr. Bob Raunerは今回の皮肉な分析結果を市の教育長に提出した。子どもたちに走り回れる機会を与えるため、とりあえず、これまで削っていた“休み時間”を復活させた学校もあるらしい。

今回の調査では、BMIと標準テストの関係は明らかにならず、太り気味でも体力があれば、テストで合格点を得る確率は上がるようだ。ただ、肥満が子どもの健康に長期的影響を及ぼすことは数々の研究が証明している。体を動かしていないと、今はよくても肥満が進んだ場合、体を動かすことがますます困難になってしまうだろう。また、子どものころから運動を習慣化することで、鬱病やアルツマー等の精神疾患の予防にもつながる。その意味でも、複数の専門家が今回の研究を評価し、調査が他の地域にも拡大していくことを期待している。Dr. Bob Raunerらの研究結果は小児科専門誌『Journal of Pediatrics』に発表された。

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