図書館の役割はもやは本を貸すだけにあらず?アリゾナの図書館が医療相談サービスを行っている件

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図書館には本を借りにくる人だけでなく、様々な人がやってくる。なぜなら、図書館は安全で、誰でも受け入れてくれる場所だからだ。

米国アリゾナ州ピマ・カウンティの公立図書館にもこの10年で、ホームレスやDVを受けている女性、鍵っ子、移民、精神に障害を抱えた人たちなどが多数やってくるようになった。社会的に弱い立場にある人たちにとって、図書館が避難場所となっているのだ。ピマ図書館はこの現状を認め、彼らに手を差し伸べるべく、2012年よりアメリカの公立図書館では初めて、館内に看護師や保健師を派遣してもらう取り組みを行っている。これ以前にサンフランシスコの公立図書館がソーシャルワーカーを置く試みをしており、ピマ図書館もその事例を参考にしたが、ピマでは健康問題を中心に取り組むことが重要と考えた。

Daniel Ropezさん(34)も図書館に派遣されている看護師のひとり。彼は利用者の血圧を測ったりするほか、聴診器をさげて館内をまわり、糖尿病を疑わせる手足のむくみ、打撲や傷を抱えている人がいないかどうかを確かめながら、健康に問題がある人には医療機関を受診する手続きを取る。ホームレスで行き場がないにもかかわらず、病院を退院させられてしまった肝臓がん患者のため、再受診の手配にも尽力した。アルコールやドラッグの問題を抱える人の相談に乗ることもある。

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このほかにも、子ども向けの「読み聞かせ会」を開く際に、親たちに予防接種や衛生管理に関するアドバイスをしたり、様々な相談に乗ったりもしている。この取り組みを始めてから、ピマ・カウンティの緊急・救急通報は14%減り、地域によっては60%減ったところもあるそうだ。

米国公立図書館協会がFacebookでピマ図書館の取り組みを紹介したところ、問い合わせや賛辞が多数寄せられ、カナダのオタワ図書館も同じような取り組みを検討しているところだという。アメリカの図書館は本を貸すだけでなく、コミュニティセンターとしての役割も果たしているようだ。

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