植物は根に寄生する菌を通じて迫り来る危険を仲間に伝えていることが判明:英研究

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先日「植物が会話をする」との話題をお届けしたが、植物のコミュニーションにまつわる話題をもう1つ。

植物の根には菌根菌という真菌が寄生しており、植物に栄養分や水分を供給したり、周囲の土壌の質を向上させたりする役割を果たしている。スコットランドのアバディーン大学、ジェームズ・ハットン研究所(James Hutton Institute)、ローサムステッド研究所(Rothamsted Research)の共同研究により、この菌根菌に情報伝達の役割もあるらしいことが分かった。

アブラムシの攻撃を受けると、植物は揮発性の化学物質を放出して敵を撃退したり、そのにおいを空中に拡散させて害虫を補食してくれる生物(ハチやテントウムシなど)を呼び寄せたりするが、この化学物質は危険を伝えるシグナルにもなっており、近くにいる仲間の植物は空中に漂うこのシグナルを受け取り、アブラムシがつく前に化学物質を放出する。では化学物質を空中に拡散できない場合はどうするのか?

ソラマメ1本1本をビニール袋で覆い、根に菌根菌を寄生させたグループと寄生させないグループに分け、各グループの1本だけにアブラムシをつけたところ、菌根菌が寄生しているグループはすべて化学物質を放出したが、菌根菌が寄生していないグループは化学物質を放出できなかった。詳しいメカニズムはまだ分かっていないらしいが、この結果は地中で菌根菌が情報伝達の役割を果たしていること、言ってみれば菌のネットワークが早期警戒システムになっていることを示唆しており、害虫から農作物を守るための、新しい持続可能な手段を見つける重要な一歩になると、研究者は期待を寄せている。

今回の研究結果は学術誌『Ecology Letters』に発表された。

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