“組み立て大好き”な自閉症青年、才能を生かして「家具の組み立て代行サービス」を開始:カナダ

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YouTube/Mikey Hamm

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自閉症児(者)は特定の分野において優れた能力を有している場合が多い。たとえば、数字や空間認識に関するずば抜けた記憶力、音楽や絵画の才能などだ。カナダのアルバータ州、エドモントンで両親と暮らすブラッド・フレンメリーさん(24)も重度の自閉症で、言葉を話すことも読むこともできないが、子どものころからプラモデルやレゴなど、「組み立てる」ことが大好きだった。父親のマークさん(職業は救急飛行機のパイロット)によると、ブラッドさんは説明書が読めないにもかかわらず、組み立て図を見ただけで、部品が1000ピース、解説書が100ページに及ぶような複雑なものであっても、短時間で正確に完成させてしまうのだとか。この20年でおそらく2000体以上は組み立てている。今も、マークさんと散歩に行き、一緒に昼食をとったあとは、何かを「組み立てる」のがブラッドさんの日課だ。

そんな息子の才能を生かし、何か生きがいになるようなこと、社会とつながりが持てることをさせてあげたいと思ったマークさんは先月、家具の組み立て代行ビジネス〈MADE BY BRAD〉を立ち上げた。

IKEAをはじめとする組み立て式の家具は、苦手な人にとっては本当に悩みの種だ。「完成直前まで来たところで間違いに気づいて泣いた」「悪戦苦闘し、家具の組み立てだけで1日つぶれてしまった」なんて経験は誰でも1度はしているのではないだろうか? でも、ブラッドさんにとってはお手のもの。組み立て図を見ながら、細かいパーツをたくさん用いる大きめの家具でも2~3時間で完成させてしまう。料金は10~20ドル(約1000~2000円)、通常の組み立て代行サービスと比べるとかなり格安だ。利用客の評判も上々で、多くの人から「もっと請求すればいいのに」と言われるが、「お金をもうけることが第1の目的ではないので」と父親のマークさんは言う。

ブラッドさんは人とコミュニケーションを取ることが難しいため、移動やお客さんとのやりとりは協力者のスタッフが行うが、いろいろなところへ出かけて、いろいろな人と接し、「組み立てる」という自分の目標を達成させることは、ブラッドさんによい影響を及ぼしているらしく、〈MADE BY BRAD〉を2度利用した女性によると、初回の訪問では目を合わせることもできなかったブラッドさんも、2回目の訪問時は笑みを見せ、そのお宅で飼われているネコをなでたりといった様子も見受けられたそうだ。

父親のマークさんは、〈MADE BY BRAD〉の活動が自閉症の子どもを持つほかの家族への刺激や励ましになればと願っている。

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=Z7ottPhn0QU[/youtube]

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