心に残った体験を文章にすると子どもの読み書きの能力が上がる

2014年05月24日 10時00分

2014年05月26日 01時25分

flickr_Cesar Rincon
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小学校のうちに基本的な読み書きの能力をつけておくことはとても大切だ。それができていないと、中学校に進んでから国語ばかりかほかの教科でもつまづいてしまうかもしれない。

イギリスでは11歳から中等教育が始まるが、6人に1人は初等教育修了時の能力判定試験(SAT)で読み書きのレベルが目標水準の「レベル4」に達しておらず、そのような生徒たちのレベルをいかに引き上げるかが課題になっている。

心に残った体験を文章に

こうした状況の中、教育基金財団〈Education Endowment Foundation〉が、ウェストヨークシャー州の11歳の子どもたちを対象に、学期末の休暇期間を利用して、「心に残った体験を書く」というプロジェクトを実施した。

プロジェクトに参加したのは、初等教育を終えたばかり、もしくは中等教育1年目を終えた州内の11歳842人。

生徒たちにはまず、動物園へ行く、地元の洞窟や城を見学する、アーチストに来てもらい、そのパフォーマンスを見る、退役軍人に戦争体験を聞く、鳥の研究をしている人に話を聞くといったことを「体験」してもらう。

その後、これらの体験から心に残ったことを文章にし、教師の指導のもと、書いた文章を自己評価し、改善する方法を学んでいく。

9カ月分の進歩を遂げた生徒も

最後に能力判定試験を行い、プロジェクトに参加していない対照群と成績を比較したところ、プロジェクトに参加した生徒たちの読み書きのレベルは著しく向上していることが分かった。

とりわけ、それまでレベル4を獲得するのが難しかった生徒の進歩が目覚ましく、9カ月分に相当する進歩を遂げていたという。

体系的アプローチがカギ

プロジェクトを担当したケヴィン・コリンズ博士によれば、ただ楽しい思い出を作文にするだけでなく、「書く→自己評価→改善」という体系的アプローチを取ることで大きな進歩が期待できるのだとか。

財団では今後さらにプロジェクトの規模を広げて、読み書きの能力が水準に達していない子どもたちをサポートしていきたいと考えている。

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