子どもは自由に遊ばせたほうが目標達成能力が上がる?

Text by

  • 6
123RF

123RF

英語にピアノにサッカー教室。最近は小学校に上がる前から様々な習い事をしている子どもが多い。皆、それなりに楽しんで通っているのだろうし、これがきっかけで何らかの才能を開花させる子もいるだろう。

だが、このような習い事は、他者の監督や指導のもとで行われる、組織化・計画化された活動だ。端的な言い方をすれば「型にはまった」活動ということになる。

こうした組織化された活動は子どもの脳の発達や潜在的学習能力にどう影響するか? 米国コロラド大学の研究チームがそれを解明するための研究を行った。

「実行機能」への影響は?

心理学の分野では、自分で目標を設定し、臨機応変にさまざまな調製をしながら目標を達成していく働きを「実行機能」と呼んでいる。自分の力で考え、判断し、行動する能力と言ってもいいかもしれない。

実行機能が高い子どもは、いつまでも1つのことに固執して、気に入らないとかんしゃくを起こすといったことが少なく、実行機能は将来的に学業面、健康面、経済力などにも影響をおよぼす可能性があるのだとか。

子どもの1週間の活動を分類

研究チームは子どもの「実行機能」を見るため、まず6~7歳の子ども70人の保護者に子どもの1週間の活動をすべて記録してもらい、それらを「より組織化された活動」(音楽のレッスンやスポーツ教室、宗教活動など)と「あまり組織化されていない活動」(独りで/友達と自由に遊ぶ、本を読む、動物園へ行く、旅行で何かを見にいくなど)に分類した。

発話テストとひっかけ問題で確認

その後、「実行機能」を判断する手段としてよく用いられるテスト(「発話流暢性テスト」「フランカー課題」など)を対象とする子どもたちに行った。

発話流暢性テストでは、「動物」「食べ物」「家に中にある道具」など、何らかのカテゴリーを提示し、そこに属するものをどんどん答えさせる。さらに「食べ物」の中でも「クッキー、パイ、ケーキ…」といった具合に「サブカテゴリー」(この場合、菓子)に属する言葉をまとめて発し、その後、「タマネギ、キュウリ…」など、別のサブカテゴリーへと移動する発話が確認できた場合は点数がプラスされる。

フランカー課題と呼ばれるひっかけ問題では、パソコンの画面上でターゲットとする魚を1匹決め、その魚がどちらの方向を向いているか答えてもらうのだが、周囲にほかの魚がいない場合、周囲に同じ方向を向いている魚が多数いる場合、周囲に逆方向を向いている魚が多数いる場合、ターゲットの方向を答えるまでの反応時間を見る。

あまり組織化されていない活動に従事している子どものほうが好成績

いくつかの条件を考慮したうえで、これらのテスト結果を分析したところ、「あまり組織化されていない活動」に従事する時間が長い子どものほうが、実行機能が高いことが分かった。

もちろん、これだけで結論を出すことはできないが、研究チームのユウコ・ムナカタ教授は「非常に示唆に富み、興味深い結果。これが説得力を持つのかどうか、さらに研究を進め、情報を集めていきたい。」とコメントしている。

コロラド大学の研究は『Frontiers in Psychology』に発表された。

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking