カプサイシンに大腸がんの増殖を抑制する効果があるとの研究結果

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唐辛子の辛味成分カプサイシンには、感覚神経(痛覚ニューロン)に存在する受容体「TRPV1」に作用し、痛みを遮断する効果があるそうで、すでに抗炎症薬、局所軟膏などに活用されている。

米カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究により、このカプサイシンに大腸がんの再発予防効果が期待できることが分かった。

TRPV1は腸の上皮層細胞にも存在

今回の研究では、TRPV1が感覚神経だけでなく、腸の上皮細胞にも存在することが確認された。TRPV1は上皮細胞成長因子受容体「EGFR」の活性化によって発現する。

EGFRは細胞の代謝を促すうえで重要な役割を担うものの、EGFRの突然変異はがんの原因となり、無制限にシグナルが伝達され続けると、腫瘍が成長・増殖するリスクが増してしまう。

TRPV1が欠損したマウスは腫瘍の増殖率がアップ

マウス実験により、EGFRが活性化すると、TRPV1が負のフィードバックを開始してシグナルを制御し、細胞の不要な成長、腫瘍の増殖を防いでいることが分かった。

また、遺伝子操作でTRPV1が欠損したマウスの場合、腫瘍の増殖率が通常より高くなることも分かった。

これはTRPV1が腫瘍の抑制因子として機能していることを示唆している。

カプサイシンを与えると腫瘍が減り、寿命がアップ

そこで、カプサイシンの登場となるのだが、同じく遺伝子操作で腸に腫瘍ができやすい状態にしたマウスにカプサイシン入りの餌を与えたところ、腫瘍の数が減り、寿命が30%伸びることが分かった。

関節炎の治療に使われる抗炎症薬セレコキシブを一緒に与えると、さらに効果が上がったそうだ。

食生活にうまくカプサイシンを取り入れては?

今回のマウスによる実験結果が人間にも当てはまるかどうかはまだ不明であり、今後の研究が必要となるが、研究者は「再発腫瘍のリスクを抱えている人は、TRPV1を活性化させることで恩恵を得られるのではないか」と述べている。

米カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究結果は『Journal of Clinical Investigation』に発表された。

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