あくびは他人より親しい者たちに伝染しやすいとの研究結果

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人から人へ移る「伝染性」のあくびは共感によるものなのか否か? これまでにもいくつかの研究がなされてきたが、イタリアのピサ大学、パルマ大学らの研究により、あくびはやはり深い共感のサイン、他者の感覚や感情を共有したい、理解したいという欲求の現れであることが示唆された。

人間とチンパンジーの比較

研究チームは約5年にわたり、33人の大人をモニターし(トータル380時間)、1375回のあくびを記録した。また、人類に最も近いを言われるボノボ(ピグミーチンパンジー)のあくびについても800時間分の記録を取り、人間との違いを検証した。

人間は相手との親しさが影響

検証の結果、人間の場合、あくびは友人や家族・親戚たちの間でより広く、より迅速に広まるが、ボノボの場合、人間と同様、あくびは伝染するものの、“友情”による影響は顕著ではないことがわかった。

共感の基本レベルは変わらない?

ただし、相手との絆が弱い場合、あくびの伝染の仕方は人間もボノボもさほど違いはなかったのだとか。これは友人や家族ではない「他者」と本能的につながろうとする働きが、人間もボノボではあまり違いがないこと、共感の基本レベルだ同程度であると考えられる。

人間は感情的な結びつきより「まねしたい本能」が強まる?

あくびは、他者の顔に表れた表情をまねしようとする本能的な行為と考えられている。そのような表情を見ると、社会的行動を司る前頭前野にあるミラー・ニューロンが刺激され、同じ表情をするよう私たちを促すのだ。

今回の研究結果は、人間のほうがこの“ミラー・システム”が素早く機能すること、互いに記憶を共有しているなど、感情的結びつき(感情的親和性)が強い者どうしの場合、このシステムが最も強く機能することを示唆している。

ピサ大学らの研究結果はピア・レビュー(相互審査)・ジャーナル『PeerJ』に発表された。

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