激しい運動は虫歯のリスクを高める可能性あり:独研究

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運動は病気や肥満の予防になるし、精神面にもよい影響をおよぼす。しかし、歯の健康に関して言えば、日常的に激しい運動に従事している場合、よいことばかりとは言えないようだ。

アスリートの口腔内はなぜ不健康?

昨年、ロンドン五輪に出場した選手を対象にした調査により、彼らの歯の健康状態が劣悪であるとの研究結果が発表された。その際、原因については検証がなされなかったが、独ハイデルベルグ大学病院が、原因解明につながる研究結果を発表した。

トライアスロン選手と一般人を比較

研究チームはトライアスロンの選手35人と、年齢、性別が一致する健康な(運動選手ではない)成人35人を比較した。

まず両者とも、静かに座っている状態を続けた後の唾液を採取。それから、スポーツドリンク等の飲み物も含めた食生活の状態、日ごろのオーラルケアの仕方、運動の習慣に関するアンケートに答えてもらった。

アスリートのほうが虫歯多し

比較の結果、アスリートのほうが歯のエナメル質の浸食が進んでおり、虫歯も多いこと、さらに、トレーニングの時間が増すにつれ、浸食の度合いと虫歯の数も増していることが分かった。

運動中は唾液が減り、口腔内がアルカリ性に

さらに、トライアスロン選手のうち15人には、徐々に激しくなるランニングを35分続けてもらい、その間に何度か唾液を採取した。

安静にしている状態で採取した唾液の化学的組成を比較した場合、アスリートと対照群との違いは認められなかった。

しかし運動中の場合、水やスポーツドリンクを摂っていてもアスリートの唾液は徐々に減っていくことが分かった。また、唾液の化学的組成はアルカリ性に傾いていくことも判明。口の中がアルカリ性に傾けば、歯石ができやすい状態になる。

これらの結果について、主任研究者のDr Cornelia Freseは「長時間に及ぶ耐久訓練は口腔衛生にとってリスク要因となり得ると言えるでしょう」と指摘。

頻度が低い、あるいはあまり激しくない運動が同じような影響を及ぼすかどうかは不明だが、可能性は低いそうだ。

同医師は「かなりの持久力が求められる本格的なアスリートは、スポーツ歯科の受診を考えてみてください」と勧めている。

スポーツドリンクとの関連は認められず

スポーツドリンクは、アスリートの歯に悪影響をおよぼす要因の1つと考えられてきたが、今回の研究では直接的関係は認められなかったそうだ。

ハイデルベルグ大学病院の研究結果は『The Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports』に掲載された。

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