読書中の脳のメカニズムがついに解明!外国語習得に役立つ可能性も

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私たちが言葉や文章を読んで解釈するとき、脳内でどのような処理が行われているのか?

これまでにもMRIを用いた様々な神経科学的研究がなされてきたが、実験で読む文章の長さが短すぎたり、非常にゆっくりした不自然なペースで読まないとスキャンができなかったりと、制限が多かった。

米カーネギーメロン大学の研究チームが新しい技術を用い、より自然な形で本を読んでいる状態で脳の活性度を細かく分析し、その結果を『PLOS ONE』に発表した。

『ハリポタ』に出てくる言葉を識別

研究チームは実験の題材として『ハリー・ポッターと賢者の石』第9章を選び、この章に出てくる単語について、文字数、どの会話に出てくる言葉か、登場人物に関する言葉か、体の動きに関する言葉か、感情に関する言葉かなど、195の特徴を識別した。

4語読むごとに脳をスキャン

また、同チームは被験者が0.5秒ごとに1語、2秒で4語表示される文章を読み続け、fMRIで2秒ごと、すなわち4語読むごとに脳をスキャンできるを技術を考案した。

そして、被験者(18~40歳の男女8名)は画面に表示される文字を45分間読み続けた。その後、機械学習アルゴリズムを用いて4語ごとに活性化した部位を1立方センチメートル単位で解析し、前述の195の特徴との関連性を調べた。

アクションを見たときと同部位が活性化

その結果、言葉の意味、文の構造、登場人物の相関関係、会話、視覚情報、感情といったさまざまな要素を処理している部位を特定することができた。

たとえば、ほうきで空を飛ぶ練習をするなど、登場人物が動き回っている場面を読んでいるときは、私たちが実際に何かが動いているのを見て、それを理解するときに活性化する部位が活性化し、登場人物の視点に関する描写を読んでいるときは、私たちが人の行動の裏に潜む意図を解釈するときと同じ部位が活性化することが分かった。

後者については、私たちが他者の感情を視覚的に解釈するときに使う部位が、登場人物の感情を読み取る役に立っているということになる。

失語症診断や外国語習得に役立つ?

今回の研究ではサンプル数が少なかったが、この技術を活用すれば、今後、失語症の人たちの脳で起きている現象、脳卒中で言語障害を患った人の回復度などを理解したり診断したりするうえで役立つだろうと、研究者は指摘している。

また、外国語の学習で苦労する場合、自分が何を理解できていないのかがはっきり分からないという場合があるが、外国語を読みながらこの方法で脳をスキャンをすれば、文法(文の構造)理解に関する部位が活性化していない、言葉の意味理解に関する部位が活性化していないといったことがはっきり分かるようになるかもしれないとも述べている。

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