葉物野菜に含まれる硝酸塩に肥満・糖尿病の予防、血流改善効果あり:英研究

Text by

  • 1
123RF

123RF

ホウレンソウや小松菜、水菜などの葉野菜に含まれる硝酸塩。過剰に摂取すると発がん性物資の生成に関与する可能性もあるが、通常の摂取ならばとくに人体に有害なものではないとされている。

英国サウサンプトン大学、ケンブリッジ大学の複数の研究により、硝酸塩には心臓の健康を向上させ、肥満や糖尿病のリスクを低下させる働きがあることが分かった。

血液の粘度を上げずに酸素を運搬

心臓病を患ったり、高山や飛行機など高度の高い環境に身を置いたりすると、体は酸素が不足した状態になる。すると、それが引き金となって血液内の赤血球が増え、酸素をたくさん運べるようになるのだが、赤血球が増えすぎると血液の粘度が上がってしまい、細い血管を通れなかったり、組織や臓器に必要な酸素が行き渡らなくなったりするリスクも増えてしまう。

このような状態にしたラットに硝酸塩を与えたところ、赤血球の生成促進にかかわるエリトロポエチンの生成が抑制され、酸素の運搬量を減らすことなく、血液の粘度を下げられることが分かった。

これは、血栓の生成を防ぎ、心臓発作や脳卒中のリスクを下げることにもつながるという。

また心臓を低酸素状態にしたラットを用いた別の研究では、硝酸塩によって、血管を広げる作用がある化合物の生成が促進され、心臓がより効率的に機能することも分かったそうだ。

悪玉脂肪を善玉に?

脂肪細胞には褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞があり、褐色脂肪細胞は脂肪を燃やして熱を産生する働き、白色脂肪細胞は体内の余分なエネルギーを脂肪として蓄積する働きを担っている。

前述とは別の研究で、肥満の状態にしたマウスに硝酸塩を与えたところ、褐色脂肪組織における熱生産遺伝子の発現量が増し、白色脂肪組織で、褐色脂肪細胞に特有の遺伝子とタンパク質の発現が誘導されることが分かった。

これは、硝酸塩によって褐色脂肪細胞の活性化と、白色脂肪細胞の“褐色化”が促進される可能性があることを示している。

緑の野菜で成人病の予防を

これらの研究にすべてかかわったケンブリッジ大学のAndrew Murray博士は、葉物野菜を取り入れ、食生活を少し改善することで心臓や血管の状態を改善し、肥満や糖尿病のリスクを軽減することができると述べている。

Murray博士らの研究は、『Journal of the Federation of American Societies for Experimental Biology』、『The Journal of Physiology』、『Diabetes』に掲載された。

Posted: |Updated:

Text by

注目の記事

前の記事を見る

次の記事を見る

Ranking