緑茶のカテキンに口腔がん細胞を破壊する力があることが明らかに:米研究

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flickr_bkajino

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緑茶の抗がん作用についてはこれまでにもいくつかの報告がなされているが、米ペンシルベニア州立大学の研究により、緑茶に含まれるカテキン、EGCG(エピガロカテキンガレート)に口腔がんのがん細胞を死滅させ、正常細胞の防御機能を活性化する作用があることが分かった。

細胞の酸化・抗酸化反応を比較

これまでの研究で、EGCGが口腔がんの細胞を死滅させるが、健康な細胞は傷つけないことが分かっていたのだが、その理由が分かっていなかった。

研究チームは人間の正常な口腔細胞と、がん化した細胞を用意し、緑茶ガムを噛んだとき唾液に含まれる程度(濃度)のEGCGを与えて、それぞれの細胞が酸化するプロセスと、抗酸化反応について観察した。

酸化ストレスは細胞死につながる

細胞の小器官であるミトコンドリアは呼吸やエネルギー代謝に関与し、代謝の副産物として活性酸素種を放出する。この活性酸素種が増えすぎると細胞の構造にダメージを与え(=酸化ストレス)、そのままミトコンドリアの崩壊が続くと、追い打ちをかけるように抗酸化遺伝子の発現が低下し、最終的に細胞死につながる。

EGCGはがん細胞の酸化ストレスを促進

実験でEGCGを与えられた口腔がん細胞では、これらのプロセスが促進されており、EGCGが酸化ストレスを誘発すると同時に、酸化に対する防御機能(抗酸化反応)を低下させていることが示された。

正常細胞では抗酸化作用が促進

一方、正常の細胞では酸化ストレスや防御機能の低下は認められず、むしろ防御機能が強化されていた。

EGCGが抗酸化反応のオンオフを選択?

研究者によると、こうした反応の違いには、抗酸化反応に重要な役割を果たすタンパク質、サーチュイン3が関与しており、EGCGは、がん細胞内ではサーチュイン3を「オフ」にし、正常な細胞では「オン」にしている可能性があるそうだ。

副作用のない治療法の開発につながるかも

今回の結果だけで「緑茶のカテキンががんに効く」とは言えず、動物実験をはじめ、さらなる研究が必要だが、EGCGの効果が証明されれば、副作用のない治療法の開発につながる可能性があると、研究者は期待を寄せている。

ペンシルベニア州立大学の研究結果は『Molecular Nutrition & Food Research』に発表された。

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