嘘をつくのがうまい子どもほど知能が高いとの研究結果

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flickr_mhagemann

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子どもが上手に嘘をついたりすると、親は「今からこれでは…」と心配になるかもしれない。しかし、米ノース・フロリダ大学らの研究により、嘘を上手につく子どもほど、言葉の短期記憶とその処理能力が優れていることがわかった。

情報処理にはメモリの容量が重要

研究者が注目したのは、一時的に情報を頭に留めておきつつ、それを処理する、ワーキングメモリ(作業記憶)と呼ばれる能力。

ワーキングメモリには、単語や文章など、音声=言語で表現される情報にかかわる「言語性ワーキングメモリ」と、絵や位置情報などにかかわる「視空間性ワーキングメモリ」に分けられる。

研究グループは、6~7歳の子ども137人に言語性ワーキングメモリと視空間性ワーキングメモリを評価するテストを行い、その後、嘘をつく能力を調べる実験を行った。

「裏を見ちゃダメ」

研究者は子どもたちにカードに書かれた問題に答えるという課題を与えた。カードの裏には正解が様々な色で記されており、子どももそれに気づいている。

研究者は「カードの裏を見てはいけない」と指示をして部屋を去り、その後、隠しカメラで子どもの様子を観察した。

“ズル”がばれるか、ばれないか?

そして、部屋でひとりになったあと、裏をこっそり見て正しい答えを書いた子どもに対しては、それをうっかり認めてしまうことになりかねない質問(カードの裏に書かれていた文字の色に関する質問)を投げかけた。

すると、事前のテストで言語性ワーキングメモリが小さかった子どもは見事引っかかり、該当する色を正しく答えてしまった。

しかし、言語性ワーキングメモリが大きかった子どもは、裏をこっそり見たことをごまかすため、間違った色を口にした。つまり、嘘をついたのだ。

彼らは質問者の視点を頭に留めておくと同時に、複雑な情報の断片をうまく操る必要があった。

嘘をつく子は言語のメモリ容量が大

これらの結果は、複雑な社会的交流をするうえで、言語性ワーキングメモリの容量が重要であることを示している(視空間性ワーキングメモリについては、こうした関連性は認められなかったそうだ)。

子どもにもっともらしい嘘をつかれると、親はイライラするかもしれないが、研究を率いたTracy Alloway博士は「それだけ、この子は知能が高いのだと受け止めることもできます」と述べている。

Alloway博士らの研究は『Journal of Experimental Child Psychology』に発表された。

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