遺伝子1つを変異させただけでマウスの寿命が20%もアップ! ところが……

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これで、誰でも長生きできると思ったのに……。アメリカの研究所が、たった1つの遺伝子を変異させただけでマウスを20%長生きさせることに成功。人間の場合、寿命が16年延びたことになるが、いいことばかりではないようだ。

米国立心肺血液研究所が8月29日、米科学誌「Cell Reports」に発表した論文によると、研究チームはマウスの「mTOR」と呼ばれる遺伝子に着目。代謝に関係するこの遺伝子の働きを弱めると、マウスが20%長生きし、さらに記憶力や筋力も改善することが分かった。

しかし、残念ながらマウスに見られたのは良い傾向だけではない。骨は通常より早く弱くなり、免疫系も弱まってしまった。これでは寿命が延びても健康ではいられなくなってしまう。

なぜこのようなことが起こってしまうのか。研究を主導したトレン・フィンケル博士は、この結果から体の部位がそれぞれ違うスピードで老化していることが分かると指摘する。全てのスピードを総合して全体の寿命が決まるため、良い影響と悪い影響のバランスで20%寿命が延びる結果になったようだ。

1つの遺伝子を変えるだけでより長く健康に生きられる、なんてうまい話はないようだが、寿命に関係する遺伝子を複数組み合わせて変化させれば実現するかもしれない。今後の研究に期待しよう。

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