炭素のシートでコンピューターに革命? グラフェンの光センサーはデータ通信を変えるか

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123RF

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光ファイバー通信によるインターネット利用はすっかり当たり前のものになった。ロスが少なく高速な通信が可能だが、それをコンピューターの中で使うにはまだ壁が多い。そんな中、3つの研究グループが9月15日、赤外光を効率よく電気信号に変換できる「炭素のシート」を英科学誌「Nature Photonics」に発表した。

炭素原子が1原子の厚さで格子状になったシートはグラフェンと呼ばれ、電気を流しやすいことや強度が高いことから、さまざまな応用が進められている。今回の研究では、そのグラフェンが赤外光を受けたとき、効率よく電気信号に変換できることを示した。2009年の時点では光がグラフェンを透過してしまい効率が悪かったが、光をグラフェンと平行にする仕組みを加えることで、効率を50~100倍に高めた

現在広く使われている光センサーはゲルマニウムの半導体を用いたもので、限られた範囲の光しか変換することができない。これに対し、グラフェンはどんな光でも検出することができるという。効率はまだゲルマニウムの10分の1程度だが、その差は急速に縮まってきている。また、電子がグラフェン中を高速で移動できるため、大量のデータを扱うことができる。実際、米マサチューセッツ工科大学などのチームのセンサーは、毎秒12ギガビットのデータを扱うことができた

質の高いグラフェンの大量生産はまだ困難だが、コンピューター内のデータのやり取りを光に置き換えられれば、さらなる高速化や省エネ化が期待される。今後の研究の進展に注目しよう。

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