理研と東大の共同チームが「全身が透明なマウス」の開発に成功!

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「理化学研究所」プレスリリース

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理化学研究所(理研)と東京大学の研究チームが「全身が透明なマウスの標本を作ることに成功」した。

全身が透明なマウスの標本

理研と東京大学の共同研究グループは、病気の初期過程において細胞ネットワークの中で何が起こっているのかを知るアプローチになるとして、マウスの全身透明化に取り組んでいた。

理化学研究所の発表によると、既に開発されていた「脳を透明化する技術」で用いた試薬を調べたところ、試薬に含まれる「アミノアルコール」が血液中に含まれる生体色素「ヘム」を溶出して組織の脱色をうながすことが判明。マウスの体を丸ごと透明化させる手法を開発したという。

医学・生物学への貢献が期待?

マウスを透明化させる手順は、以下の通り。

  • 1.透明化試薬を希釈して、全身に循環させる
  • 2.臓器であれば10日間、全身であれば2週間透明化試薬に浸す

血液成分を多く含む臓器なども脱色することができるという。

「理化学研究所」HP

透明にしたマウスを、蛍光色素で染色することで、臓器・全身丸ごとを1細胞レベルの解像度で観察することが可能になった。

理研はこの技術について、このように述べている。

今回開発した技術は、個体レベルの生命現象とその動作原理を対象とする「個体レベルのシステム生物学」の実現に一歩近づくものです。全身の細胞の働きを1細胞解像度で網羅的に観察するこの技術は、生物学だけでなく医学分野にも貢献をもたらすと期待できます。

 全身が透明なマウス標本は、今後「がん」や「糖尿病」の研究など、医療・生物分野の研究に大きく貢献することが期待される。

ネット上には、透明化マウスに疑問の声も…

理研の発表を受け、ネット上には多くの反響が寄せられている。

  • 「すごいと同時に怖い」
  • 「こんなことしていいのかな…?」
  • 「ここまで!?自然に逆らってもいいの?」
  • 「医学の発展には良いニュースなんだろうが、なんか色々と不気味だな…」
  • 「大きな意義があることはわかるが、画像的には何か躊躇させるものがある」
  • 「マウスが骨以外透明化…人間でやったら頭おかしくなりそう」

全身が透明なマウスに、違和感を感じている人が多いようだ。理研のホームページに載っている全身透明化マウスの写真を見た人からは、「グロい」という感想が多く寄せられている。

動物実験の国際原則

動物実験をめぐっては、国内外で論争が起こっている。

1999年にイタリアで開催された国際代替法会議では、動物実験を行う上での基本原則である「3Rs」がボロニア宣言として採択された。3Rsとは、以下のような内容だ。

Replacement = 置換
動物を用いる試験を、動物を用いない、あるいは系統発生的下位動物を用いる試験法により代替すること。

Reduction = 削減
試験法の改良や見直しにより、評価に必要な情報の精度を欠くことなく、実験動物数を減らすこと。

Refinement = 苦痛軽減
動物に与える疼痛や苦痛を和らげる、除去する、あるいは動物福祉を向上させるように実験方法を改良すること。

また、ボロニア宣言には、「代替法と動物使用」について、このような結論が書いてある。

唯一許容される動物実験は倫理委員会により認められたものであり、科学的目的の達成に矛盾しない限り、動物使用数を可能な限り削減し、起こりうる苦痛を最小にしたものである。

日本では、公益財団法人日本実験動物協会が「実験動物技術者試験」を行い、「実験動物技術の進展」と「実験動物福祉の向上」などを図っている。

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