全国の小中学校で「起業家教育」を実施へ?政府が学校に導入を促す

2015年01月05日 16時20分

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123RF
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近い将来、全国の小中学校で「起業家教育」が実施されるかもしれない。

「起業家精神」を持った人材を育成へ

政府は来年度から、小中学校を対象にした「起業家教育」の導入を全国の学校に促す計画だという。

現在、日本の起業率は低迷している。1997年には160万人台だった起業希望者数が、2012年には80万人台と半減した。

世界的にみても、日本の起業に対する関心は低い傾向にある。

「起業した人が身近にいるか」という質問に「はい」と答えた人の割合は、先進国の平均が30%なのに対して日本は14%。また、「起業の知識や経験の保有率」は先進国平均が38%なのに対して日本は9%となっている。

この状況を打破して、開業率の倍増や経済活力を向上させるために、起業家精神を持った人材の育成が必要となるという。

「起業家教育」とは?

政府は起業家教育として、「起業家や経営者を招いての講演」や「企業訪問や職場体験」、「模擬会社による起業体験」「地域団体との共同プロジェクト」「事業計画の作成やコンテスト実施」などを検討している。

政府はこのような教育を行うことで、チャレンジ精神や独創性に富んだ人材を育成し、AppleやGoogleのような世界を代表する企業に繋がる可能性もあるベンチャーが育つ土壌づくりを目指すという。

また、起業家教育を行うことで「生きる力」の育成にも貢献できるのでは、と経済産業省は期待している。

既に実施している学校も

起業家教育は、既に一部の小中学校で実施されている。

杉並区にある小学校では、起業家教育プログラムを提供する民間会社の支援・協力のもと、起業家教育を実施。模擬会社を立ち上げて、タオルなどのオリジナル商品の企画・開発や資金集め、販売活動や利益の分配などを行っている。

会社設立と事業実施を体験することで、お金の意味や組織の役割、地域の活動などを学んでいるという。

ネット上には効果を疑問視する声

この計画を受け、ネット上には多くの反響が寄せられている。

  • 縮小経済の時代に、ベンチャーなんていうリスキーなものを要求しますか
  • 公務員気質溢れる公立小中学校の先生に「起業」を教わって大丈夫なのか
  • 誰かが儲けたら誰かが損するってことぐらい教えないと
  • 国は本当に第二第三のホリエモンが欲しいのか
  • ビル・ゲイツもスティーブ・ジョブズもラリー・ペイジも学校教育によって誕生したものではない
  • 飛び級制度などの早熟な子たちを支援するシステムを作った方が良いと思う

中には起業家教育の導入を賞賛する意見もあったが、そのほとんどが「本当に起業に繋がるのだろうか」などと起業家教育を疑問視する声だった。

「指導者」や「カリキュラム」が課題

実は、経済産業省は2000年代のはじめから「起業家教育」に取り組んでいた。しかし、「短期的な効果が見えない」という理由から、事業仕分けで中止となったという。

また、起業家教育の導入にあたっては、「先生達に新しい取組をする余裕がないこと」や「起業家教育についての知識や熱意を持つ教員の不足」「カリキュラムや教材不足」などの課題もあり、起業家教育は十分に普及していないのが現状だ。

政府はこれらの課題に対して、創業経営者や専門家などの「民間の力の活用」や「モデル例を取りまとめたパンフレットを作成して全国に配布」などの普及・促進活動を行うという。

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