「軍艦島アパートの保存は困難」という長崎市の判断に、賛同意見が多数

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flickr_まくら 越智

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軍艦島のシンボルとなっている高層アパートが姿を消すかもしれない。

保存整備しないことに

長崎市は、軍艦島にある国内最古の鉄筋コンクリート造りの高層アパート「30号」について「大破しており保存は困難」と判断した。

今後、優先的に保存のための整備を行うことはせず、崩壊した場合はがれきなどを撤去することもあり得るという。

日本最古のRC高層アパート

高層アパート「30号棟」は日本最古の鉄筋コンクリート(RC)造りの高層アパート。地上7階、地下1階建て。1916年に建築され、下請け鉱員の住宅として使われていた。

建築的価値を高く評価する専門家も多く、軍艦島のシンボル的存在として人気を集めている。

倒壊の危険

しかし、このアパートは現在、危機的状況にある。

長崎市が建物の劣化調査をしたところ、30号棟は耐用期限が5年過ぎており、倒壊の危険性がある「大破」と診断された。長崎市は30号棟の保存についてこのように語っている。

保存策がすぐに見つかればいいが、現実的には難しい。多額の費用もかかる

RC構造物は保存技術が確立されていないため、補修は困難だという。長崎市の世界遺産推進室は、倒壊するまでの記録をとって研究資源として活用する方針だ。

世界遺産登録の要件ではない

劣化や倒壊も仕方がないと判断された30号棟だが、軍艦島は世界文化遺産の登録勧告を受けている。そんな重要な施設を整備しなくて問題はないのだろうか?

軍艦島は「明治日本の産業革命遺産」の構成施設の一つとして世界文化遺産の登録勧告を受けているが、その対象とされているのは「生産施設」と「護岸」のみ。30号棟など居住施設は世界遺産登録に必要な要件ではないので、整備をしなくても問題はない。

保存に最大158億円かかる?

また、保存整備には多額の費用がかかる。

長崎市が整備にかかる概算費用をだしたところ、居住施設など延命可能な全ての施設と失われた施設を復元整備するのにかかる費用はおよそ158億円だという。

ちなみに、世界文化遺産登録への必要要件である「生産施設」と「護岸」だけを保存整備する場合には、およそ11億円かかると試算された。

整備に否定的な声が多数

軍艦島の保存整備について、ネット上には多くの反響が投稿されている。


整備や保存に否定的な声が多い。中には、「世界遺産に登録されなくてもいのでは?」という意見もあった。

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