ついに日本でも「遺伝子治療薬」が発売か?血管を再生し足の切断を防ぐ

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「厚生労働省」資料

「厚生労働省」資料

来年にも国内で「遺伝子治療薬」が発売されると報じられ、注目が集まっている。

来年にも日本で発売か

日本経済新聞は1日、国内の製薬各社が「遺伝子治療薬」を売り出すと報じた。

まずは田辺三菱製薬が2017年にも「糖尿病などによる足の切断を防ぐ薬」を発売するという。

「遺伝子治療薬」とは?

「遺伝子治療薬」とはたんぱく質の設計図である遺伝子が本体となる薬。

「国立医薬品食品衛生研究所」資料

「国立医薬品食品衛生研究所」資料

正常な遺伝子を搭載した運び屋(ベクター)を患者に直接投与したり、患者から取りだした細胞に目的遺伝子を導入し患者に投与して治療する。

海外では既に承認薬も

遺伝子治療薬の研究・開発は、1990年に米国で行われた世界最初の遺伝子治療(ADA欠損症の遺伝子治療)を皮切りに加熱した。

遺伝子治療による死亡事故や治療後に白血病が発症した事例などを受けて一時は停滞したが、2012年には欧米で脂質代謝異常症に関する遺伝子治療薬「Glybera」が初めて承認。

中国でも「がん治療の遺伝子治療薬」が、ロシアでは動脈硬化でおこる重症の「下肢虚血の遺伝子治療薬」が承認されている。

2014年の改正薬事法でスピードアップ

日本ではこれまで、遺伝子研究に対する公的研究費や研究者の不足、体制の未整備や、臨床プロトコールの申請・審査に時間がかかるなどの理由で遺伝子治療が遅れていた。

しかし、2014年に施行された改正薬事法で規制が緩和されたことにより、審査期間が大幅に縮小。

現在、田辺三菱製薬やアステラス製薬、キョーリン製薬など複数の製薬会社が遺伝子治療薬の開発を行っている。

足の血管を新たにつくる

来年にも発売されると言われているのは、田辺三菱製薬が独占販売許諾契約を取得したアンジェスMG開発の「HGF遺伝子治療薬」。

健康な人から取り出した遺伝子を患者の足に注入して新しい血管を作成し、足の動脈硬化や潰瘍、疼痛などを改善・治療する。

ネット上には期待の声が多数

田辺三菱製薬が来年にも遺伝子治療薬を発売するという報道を受けて、ネット上には反響が続々。

  • 良い動きを
  • 薬の概念が変わりますね
  • 癌では死なない時代が来るのかもなぁ
  • リスクはあるがどんどん進めてほしい
  • 遺伝性疾患の治療が受けやすくなるとよいな
  • 投資家材料
  • 人体への悪影響とか無いかが結構気になる
  • 人は神の領域に立ち入ってはならない

批判の声もあったが、期待や注目が集まっている。

開発会社の株価がストップ高に

報道の影響は株式市場にも。HGF遺伝子治療薬を開発したアンジェスMGの株価は報道を受けて急伸。

Yahoo!ファイナンス「アンジェスMG」

Yahoo!ファイナンス「アンジェスMG」

前日終値より37.74%上昇し、ストップ高となった。

「がん」や「アルツハイマー」治療薬なども開発中

今後、どのような遺伝子治療薬が発売されるのだろうか?

遺伝子治療薬はまだ安全性・有効性が確立されていないため、「がん」や「心・血管疾患」、「先天性遺伝子疾患」など重篤な疾患が対象となっている。

国内では現在、アステラス製薬が「がん」に対する遺伝子治療薬を開発中。キョーリン製薬はアスベストが原因で発症する「中皮腫」の遺伝子治療の治験を実施している。

また、「食道がん」や「脳腫瘍」、「アルツハイマー」の遺伝子治療薬も臨床試験段階にあるという。

遺伝子治療薬の世界市場は、2020年に400億ドルになると試算されている。

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