新潟大、人件費抑制のため教員の“昇進”や“欠員補充”を凍結

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「新潟大学」HP

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新潟大が教員人事を凍結することが分かり、衝撃が広がっている。

教員人事を凍結

新潟大が「教員の昇進」や「退職者の補充」など人事の大部分を凍結することが分かった。

今年3月の定年退職者の補充は行うが、今春から約2年間、国の基準を下回る場合などを除いて原則凍結。支障がある場合は非常勤講師などで補うという。

運営交付金の減少が影響

人事の凍結を決めた背景には、国からの「運営費交付費」の減少がある。

国立大学の収入の約3~4割は国からの「運営費交付金」が占めている。しかし2004年に法人化されて以来、国から大学への運営費交付金は年々減少。

「筑波大学」HP

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新潟大がもらった運営費交付金は2004年は145億円だったが、2015年度は134億円だった。

職員ら約300人は反発

職員組合は教員人事の凍結に反対しており「教育や研究などへの影響は避けられない」と先月約300人分の署名を学長に提出した。しかし学長は次のように説明。

教員の給料や教育、研究の質を下げないための苦渋の判断だ

学長は今回の措置について「あくまで短絡的な対応」と強調した。

ネット上には教育への影響を心配する声

新潟大学が教員人事の凍結を決めたことを受けて、ネット上には反響が殺到。

驚く声や「地方の有力国立大学でもこの状態…」など嘆く声が多く寄せられていた。

さらに財政難になる恐れも

今後、大学の財政はさらに厳しくなることが予想される。

財務省は大学への運営費交付金(約1兆1千億円)を2031年度までに約9800億円にする方針で、毎年1%ずつ運営費交付金を削減することを提案。

文部科学省も国立大学法人は運営費交付金だけでなく、寄付金や学生納付金など自己収入を増やすための取り組みを進めて財源の多元化を図ることが不可欠という考えを明らかにした。

各大学から反発の声

国が国立大学への予算を減らそうとしていることを受けて、各大学は危機感を募らせている。

筑波大学は運営費交付金の削減について、次のように語った。

大幅な削減がされれば大学運営はほとんど不可能になってしまう。実際に削減されると、8つある研究科のうち、7つは運営できなくなる

東京大学も、運営費交付金の削減で経営が厳しさを増していることや、授業料は既に大幅に上昇しており、これ以上値上げした場合、教育の機会均等という役割を果たせなくなると意見。

「東京大学」資料

「東京大学」資料

一般社団法人「国立大学協会」は、運営費交付金の削減により日本の研究力と国際競争力が質・量ともに低下したと訴えている。

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