デフレ脱却の過程?実質賃金の「4年連続マイナス」に衝撃が広がる

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「厚生労働省」資料

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実質賃金が4年連続でマイナスとなり、衝撃が広がっている。

前年比0.9%減

厚生労働省が8日に発表した2015年分「毎月勤労統計調査(速報)」によると、現金給与総額から物価上昇分を差し引いた「実質賃金」は前年より0.9%減。

4年連続でのマイナスとなった。

ネット上には嘆きの声が続々

実質賃金が4年連続のマイナスだったという発表を受けて、ネット上には反響が続々。

他にも「つらいなぁ」「ショッキング」など嘆く声が多数投稿されていた。

賃金が物価上昇に追いつかず

なぜ、実質賃金が4年連続でマイナスとなっているのだろうか?

厚生労働省は実質賃金が減少した理由を次のように説明。

名目賃金が増加する一方で、デフレ脱却に向かう過程で消費者物価が名目賃金を上回って増加したため、実質賃金は減少した。

現金給与総額は2014年は前年比0.4%増、2015年は前年比0.1%増と増えたが、消費者物価指数は2014年3.3%増、2015年1%増とそれ以上に増加した。

パート労働者の増加も影響か

また、次のような注意書きも書かれていた。

相対的に賃金水準の低いパートタイム労働者の割合が上昇すると、計(一般労働者とパートタイム労働者の全体)の賃金は押し 下げられることに留意

パート労働者として働く者の比率が上がったことで、実質賃金が押し下げられたという。

パートで働く理由「都合のいい時間に働ける」が最多

パートとして働く人の割合は上昇し続けている。

「厚生労働省」資料

「厚生労働省」資料

厚生労働省の調査によると、パートとして働く理由のトップは「自分の都合のよい時間に働けるから」(50%)。次いで「家計の補助・学費等のため」(36.3%)、「家庭の事情と両立しやすいから」(33.7%)となっている。

「従業員への分配」や「正社員化」がカギ?

賃金の上昇が物価上昇に追いついていない状況の中、消費支出も4ヶ月連続で前年同月を下回っている。今後、実質賃金が上昇する見込みはあるのだろうか?

内閣府は実質賃金を上昇させるためには次のような策が必要だと述べている。

このような状況から脱するためには、企業収益が改善する中で、それを従業員へ適切に分配するとともに、省エネ等を通じた資源・エネルギーコストの低減や投入価格の上昇に見合った産出価格の引上げを通じて交易条件を改善させることが重要である。

また、景気の回復に伴って「正社員化」や「パート労働者と一般労働者の処遇を近づけていくこと」も重要だとしている。

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