人間も同じ?集団には「働かないアリ」が必要との研究結果が話題に

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「北海道大学」PRESS RELEASE

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「働かないアリ」が集団の長期的存続に欠かせないという研究結果が発表され、話題となっている。

北大研究チームが発表

北海道大学の長谷川英祐准教授の研究チームは16日、イギリスの科学誌に「アリの集団が長期間存続するためには、働かないアリが存在する必要がある」という研究結果を発表した。

働きアリが疲れて働かなくなった時に代わりに働くためだという。

常に「働かない個体」が存在

「働きアリの法則」として知られているように、アリの集団の中には働かない個体が常に2割程存在する。

長谷川氏らは、コロニー内をよく働く個体だけにしても働かない個体だけにしても、しばらくするその割合は元に戻るという研究結果を発表していたが、その理由は分かっていなかった。

働きアリの代わりに働きだす

長谷川准教授らの研究チームは、働かないアリがいる集団といない集団をコンピュータのシュミレーションで比較。

すると、働くアリが疲れて動けなくなった時に普段は働かないアリが働き始め、働かないアリがいる集団の方が同じように働くアリしかいない集団よりも長く存続できた。

また、実際に1200匹のアリを観察したところ、働きアリが休んだ時に働いていなかったアリが働きだすことも確認された。

教授「短期的効率で組織に大ダメージ」

長谷川准教授はこの研究結果を受けて次のようにコメント。

一見無駄な働かないアリも、集団の長期的存続には欠かせない。人間も含め、短期的効率を求めすぎると、組織が大きなダメージを受けることがある

さらに「働かないと思われている人もピンチの際には活躍する可能性がある」として、「組織運営に当たり、長期的存続の観点を含めて考えることの重要性が示された」と語った。

ネット上の反応はさまざま

この研究結果を受けて、ネット上には反響が殺到。

「人間も同じ」「何にでも余裕と余力を残しておくのは重要」という声がある一方で、「人間は交代したら給料下げられる」「人間世界では不可能」という意見も見られた。

3%しか働いていないアリの集団も

アリの集団には働いていないアリが一定数いるという「働きアリ」の法則は有名だが、世界には2割どころか97%が働いていないアリの集団も見つかっている。

アリゾナ大学の研究チームが北米に生息するアリの行動を2週間にわたって観察したところ、常に働いていたのは2.6%で、71.9%は半分以上怠けており、25%は全く働いていない事が明らかになった。

研究チームは、これらのアリは「休むこと」で何らかの重要な役割を担っているのではないかと考えているという。

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