奨学金の返還が「結婚」や「出産」の重荷になっていることが明らかに

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奨学金の返済が「結婚」や「就職」「出産」などに影響していることが明らかになった。

奨学金返済の影響を調査

労働者福祉中央協議会(中央労福協)は昨年7~8月、34歳以下の働く男女を対象に「奨学金の返済が生活に及ぼす影響」について調査を実施。次のような回答結果となった。

  • 結婚に影響 31.6%
  • 出産に影響 21%
  • 子育てに影響 23.9%
  • 仕事・就職先の選択に影響 25.2%
  • 持ち家の取得に影響 27.1%

30%を超える若者が奨学金変換が結婚に影響を及ぼしていると回答。

奨学金を200万以上借りた非正規社員では、48.5%が奨学金の返還が結婚に影響していると答えたという。

平均貸与額は295万円

中央労福協によると、大学生の奨学金の平均貸与総額は295万円。

日本では奨学金のほとんどが将来返済する必要がある「貸与型」で、3分の2は利子が付く貸与型。滞納すると、年5%の延滞金が課される。

大学生の2人に1人が奨学金を利用?

大学の授業料の値上がりや平均給与の減少などを受けて、奨学金を利用する学生は増加している。

大学の学費は年々上昇。

「中央労福協」奨学金署名用紙

「中央労福協」奨学金署名用紙

一方で、平均給与は平成9年以降、年々減少傾向。

「文部科学省」資料

「文部科学省」資料

年収に占める授業料の割合は年々増加しており、いまや大学生の2人に1人が何らかの奨学金を受給しているという。

「中央労福協」資料

「中央労福協」資料

中央労福協は昨年10月から、奨学金の「貸与型」から「給付型」への転換や、貸与型奨学金を無利子とすること、延滞金の廃止などを要請する署名活動を実施。

2月24日現在で243万2199名の署名が集まっている。

署名をした人から「辛すぎる」という声

集まった署名には、以下のような意見が記載されていたという。

  • 社会人のスタートからローン地獄とは、つらすぎます
  • 低所得者から教育の機会を奪うのは本当におかしい
  • せめて国立大学だけでも授業料無償にしてほしい
  • 国を背負っていく子供達に希望をもって勉強をしてもらいたい
  • 日本もOECD並みの給付型の導入をして欲しい

他にも、金銭的な理由で大学に行けなかったと訴える声や、教育制度を見直すべきだという意見などもあった。

世界と比較すると?

財務省は各国の授業料と奨学金の関係を4種類に分類している。

スウェーデンやノルウェーは授業料が無償または低く、学生支援も手厚い。

フランスやスペインは学生支援があまり整備されていないが、授業料は低いグループ。アメリカやオーストラリアは、授業料は高いが学生支援が整備されているという。

日本は韓国と共に、授業料が高く、学生支援が比較的整備されていない国に分類されている。

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