犯罪口座の残金を「給付型の奨学金」にとの決定に、賛否両論の声

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「金融庁」資料

「金融庁」資料

犯罪口座の残金が、犯罪被害者の子どもに対する「給付型奨学金」として活用されることが決まった。

平成28年度中にも募集開始へ

金融庁は17日、振り込め詐欺などに使われた口座に残っているお金を、犯罪被害者等の子どもに対する「給付型奨学金」にすると発表した。

平成28年度中にも内閣府令を改正して正式決定し、募集を始めるという。

凍結口座に約65億円の残金

犯罪に使われて凍結された口座に残っているお金は被害者に返金されることになっているが、被害者から返金申請が無いなどの理由で残金が発生する場合も。

NHKの報道によると、犯罪口座に使われて凍結された口座に残ったお金は約65億円に上るという。

貸与制→給付制へ

被害者に返せなかった残金はこれまでも、犯罪被害者の子どもに対する「まごころ奨学金」という無利子の貸与奨学金などとして使われていた。

しかし、まごころ奨学金の借り手には低所得な家庭が多く(平均所得169万円)、奨学生の数は平成27年11月末時点で60人と伸び悩んでおり、「給付型奨学金」への転換を求める声が上がっていた。

月1.7万円~5万円

金融庁の資料によると、給付制奨学金の給付水準は以下のとおり。

  • 高校生 1.7万円(国公立)~2.5万円(私立)
  • 大学生 5万円
  • 大学院生 5万円

大学生は国立大学の授業料を賄える水準。また、入学時には一時金(大学生は30万円)が支給される。

ネット上に反響が続々

犯罪口座に残ったお金を被害者の子どもに対する給付型奨学金として活用するという決定を受けて、ネット上には反響が続々。

  • 有効活用なんじゃないですか?
  • これはわりと英断なのでは
  • 現代のねずみ小僧
  • どんどんやるべき!
  • 被害者に返さないの?犯人のお金を奨学金に…なら良いが
  • 返金してもらいたい人に対応出来てないってことはないのかな
  • 他のケースで返金してもらえなかった人に回してあげるほうがいいんじゃない?

賞賛する声が多かったが、「振り込め詐欺被害者への返金がうまく出来ていないのでは…」という指摘もみられた。

なぜ残金が発生?

なぜ、被害者に返せなかったお金が約65億円も残っているのだろうか?

振り込め詐欺などの被害者は「振り込め詐欺救済法」に基づき、申請すれば犯罪口座に残ったお金から分配金を受け取ることができる。

「全国銀行協会」HP

「全国銀行協会」HP

しかし、犯罪利用口座の残高が1000円未満の場合は対象外。現金を犯人に手渡したり郵送したなど振込によらない詐欺も、救済法の適用を受けることはできない。

振り込め詐欺の返金率は約8割

さらに、被害者への連絡は原則として振込先の金融機関が行うこととなっているが、連絡先が分からなかったり、連絡先の変更がされていなかったり、被害者と連絡を取るのが困難な場合も。

また、「被害の事を思い出したくない」「家族に知られたくない」と連絡を受けるのを望まない被害者もいるという。

平成26年度の返金率は「振り込め詐欺」80.76%、「振り込め詐欺以外の特殊詐欺」83.89%、「ヤミ金」45.73%、「ネットショッピング詐欺等」61.83%、「ネットバンク不正送金」76.35%となっている。

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