残業80時間で立入調査の対象へ?ネット上には「サビ残が増える」という声

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労働基準監督署が立ち入り調査に入る残業時間の基準が「80時間」に引き下げられる見通しだ。

立入調査の基準を「残業80時間」へ

日本経済新聞は24日、政府が企業の長時間労働への監視を強める方針だと報じた。

労働基準監督署の立ち入り調査の対象となる残業時間を、現在の「100時間」から「80時間」に引き下げる方向。

基準となる残業時間を引き下げることで、対象者が約300万人(2.7倍)に拡大するとみられる。

73.9%の事業所で労基法違反

厚労省が昨年11月に労基法違反が疑われる5031事業所を対象に「過重労働解消キャンペーン」を実施したところ、全体の73.9%で労基法違反が認められた。

違反事項で最も多かったのは「労働時間」。1ヶ月の残業時間が799事業所では100時間超、153事業所では150時間超、38事業所では200時間を超えていた。

過労死ラインは80時間

パートなど非正規労働者の増加により年間総実労働時間は減少傾向にある。

しかし近年、特に「心の病」を発症する人が増加しており、2014年度の精神障害の労災請求件数と支給決定件数はともに過去最多に。

「厚生労働省」資料

「厚生労働省」資料

業務と発症の関連を判断する時間外労働の基準は「発症前1ヶ月間におおむね100時間」または「発症前2ヶ月ないし6ヶ月にわたって、1ヶ月あたりおおむね80時間」とされている。

ネット上には「何も変わらない」と指摘

労働基準監督署の立ち入り調査の基準となる残業時間を「月80時間」に引き下げるという政府の方向について、ネット上には意見が続々。

評価する声もあったが、「サービス残業が増えるだけではないか…」という指摘も多い。

4割強が「サービス残業」をしている?

2015年実施の「過重労働キャンペーン」によると、対象となった5031事業所の約1割にあたる509事業所で賃金不払い労働があったという。

また、日本労働組合総連合会が20~59歳の男女雇用労働者3000名に調査したところ、4割強が「サービス残業をせざるを得ないことがある」と回答。

平均サービス残業時間は、一般社員で月18.6時間。課長クラス以上では月28時間だった。

世界と比較すると?

日本の労働時間は、世界的にみて長いのだろうか?

OECDによると、日本の労働者の一人当たりの労働時間は年1745時間とOECD平均(1765時間)を下回っている。

しかし、フランス(1479時間)やドイツ(1397時間)など先進国と比較すると、比較的長い。

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