過密シフトで落第?大学生の間で深刻化する「ブラックバイト」の実態

2014年08月19日 14時10分

2014年08月19日 14時10分

Shutterstock
Shutterstock

19日放送のフジテレビ『ノンストップ!』は、「ブラックバイトに苦しむ若者たち」を特集。大学生たちの間で深刻化している「ブラックバイト」の実態とは?

企業の次はバイトがブラック化!

今、社会問題になりつつあるという「ブラックバイト」は、学生生活に支障が出るほどの深刻な重労働を課される学生アルバイトのことをいうそう。

「ブラックバイト」という言葉の生みの親でもある中京大学・大内裕和教授は、「大学の教員になって17年になるが、当初の頃と学生アルバイトが変わってきた」と語る。

試験期間中であっても、アルバイトをまったく休めない、減らせないという学生が続出し「これはブラック企業のアルバイト版だと思い 昨年7月に名付けたのが始まり」なのだとか。

学生が語る「ブラックバイト体験」

「ブラックバイトユニオン」には、ブラックバイトに苦しむ学生からの相談が相次いでいるという。

「とにかく人が足りない。入って5日目くらいに深夜1人で勤務することになり、作り方が分からないので、ネットで作り方を検索してそれを見て作った」(飲食店バイト・大学生・20代)

「週1~2くらいでと思って働きだしたが、後になって『もっと、どんどん入ってくれないか』と言われ、大学生活をアルバイトにとられてしまった。実際に単位も落としてしまい、今思うと、学生らしい生活をバイトのせいで送れなかった」(塾講師バイト・大院生・20代)

経済状況の悪化が原因?

ブラックバイトが増えた原因について、大内教授は「学生の経済的な状況がとても変わった。アルバイトをしなければ、学生生活を送れない。そのことが、ブラックバイトを促進していることは明らか」と指摘。

学生の経済状況は年々悪化し、奨学金利用者は16年前に50万人だったのに対し、2014年は141万人と3倍近くも増加。親からの仕送り額は、1996年の平均10万2240円が、2013年には平均7万2280円と3万円も減っているという。

「学生の弱みにつけ込んで、無理なシフトや過酷な労働を強要する企業が一部で増えているのではないか?」と、大内教授。アルバイトの範疇を超えた責任を課せられる「ブラックバイト」は学生にとって、想像以上に深刻な問題のようだ。

バイトをすることで生活苦に?本末転倒のワケ

また、「ブラックバイト」をすることで、ますます生活苦になる学生もいるという。

「皿やグラスを割って『弁償しろ』と言われ、1日で1400円を支払うこともあった。時給を超える弁償金のためにシフトを増やした」(居酒屋バイト・大学生・20代)

「時間通りに上がろうとすると必ず理由を聞かれ、時間以上に働くのが普通のことだと思って残業していた」(飲食店バイト・大学生・20代)

「ブラックバイト」先には、他にも「遅刻をしたら罰金」など、法的にも問題があるルールを設定している企業が多いという。

そんなムチャクチャなルールでも、社会経験が浅い学生は「これが社会というものか」と納得してしまうのだとか。

「辞めちゃえば?」と簡単に言えない理由

スタジオレギュラーからは「辞めちゃえば?」「もっといいバイトを見つければ?」という声があがったが、学生バイトは採用されるのが厳しく「バイトに受かるまで50社以上の面接を受けた」という学生もいて、簡単に辞められないのだという。

その要因として、「フリーターの増加」を大内教授は指摘する。企業側は、使い勝手のいいフリーターを選ぶ傾向があり、学業優先で時間制限のある学生は不利。「フリーター限定募集」のバイトも多く、受かりにくい学生は、無職よりブラックバイトの方がマシだと考えてしまうという。

「生活費、学費も自分で払ってるので、バイトを辞めて、次が決まるまでの間、生活ができない」

「辞めてしまうと、新しいバイト先で、研修して、時給安いところから始まって、人間関係もイチから築かないといけない」と、学生たちはバイトを変えることに危機感を抱く。

経済情勢のしわ寄せが学生に・・・

MC設楽統は、「時代の要素が重なって、学生にしわ寄せがきている」と指摘。

コメンテーター・小藪千豊は「不景気でこういう社会になってきて、フリーターや非正規雇用が増えて、そういうひずみが来ることもある程度覚悟して、社会の中で自分を守る術を覚えないといけない。なんだったら、大学を止めて働くことも選択肢の一部だと僕は思う。大変ですけど」とコメントした。

大内教授は「学生アルバイトといっても労働者。労働基準法の対象で、不当な事は『不当だ』と主張する権利がある。まずは、こういうことが、おかしいと知ることが大事」だと、語った。

注目の記事