親が死んだら負担は兄弟に?深刻化する“高齢ニート”問題

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社会問題として度々取り上げられる「高齢ニート」。28日放送のフジテレビ『ノンストップ!』では、親が亡くなった後、兄弟姉妹にすがる”新・高齢ニート”について調査した。

40歳以上の非労働者44万人!という日本の現実

「高齢ニート」とは、親の年金や財産を頼りに働けるのに働かない40代以上の中高年ニートのこと。さらに、「新・高齢ニート」は、親に頼れなくなったら兄弟姉妹にすがるという超厄介な存在なのだという。

2013年、40歳以上の非労働者(家事・通学は除く)は、なんと44万人もいるそうで、2008年の33万人から一気に増加(労働省調べ)、働かない子を持つ親を対象としたセミナーには、年間700人もの親が殺到しているという。

配偶者の兄弟姉妹にニートが…

番組視聴者からも「旦那の妹がニート。旦那が死んだら私の息子や娘に面倒見てもらいたがっている(埼玉県・主婦)」

「夫の実家に同居したら、まさかの義理の弟までついてきた。義弟はまったく働かず、食費も準備も、全て私たち夫婦持ち。食費もバカにならず、苦しい(東京都・主婦)」など、義理の兄弟姉妹に高齢ニートがいる人からの叫びが寄せられた。

親族間には扶養義務がある?

「そんなの面倒みなきゃいいじゃん!」と思うが、高齢ニートは「ニートであるため」理論武装を行うようである。

■25年間ニートの兄45歳と40歳の弟夫婦のケース

兄の面倒を見ていた母が亡くなり、「これをキッカケに自立してくれるかも」と、弟夫婦は思ったが、兄は当然のように「母さんが亡くなったから、今度はお前が面倒見てくれるんだよな?」と、生活費を要求してきた。

度々小遣いをせびられるうえ、兄は公共料金を滞納し、その請求も弟夫婦のところへくるようになった。弟は、仕方なく親の遺産1000万円を放棄し兄へ相続させた。しかし、兄はパチンコなどであっという間に金を使い果たしてしまった。

さすがに弟がキレて「もう、お金は出さない」というと、「家族が養うのは法律で決まってる。民放第877条・親族間の扶養義務を知らないのか?」と法律を振りかざし反論してきた。

専門家も手こずらせる高齢ニート

数々のニートや引きこもりの相談にのっているファイナンシャルプランナー・畠中雅子氏は「自分達の生活が脅かされてまで、兄弟姉妹の面倒を見る必要はないと個人的には思っています。でも、ニートの人は時間があるので、ネットなどでかなり勉強をされていて、法律などを徹底的に調べている」と、高齢ニートの手強さを語った。

生活保護も親族間の「扶養義務」が優先されるが、そもそも、この法律はニートを想定して作られた法律ではない。働きたくても働けない人が対象だと思うし、「労働の義務」を果たしていないのに、権利を主張するなと思ってしまう。

しかし、高齢ニートを抱える兄弟姉妹は「家族がニートだと周囲に知られたくない」という思いから、とりあえず金を渡してしまうことが多いと、畠中氏は指摘する。

兄弟姉妹の人生をも狂わせる?

さらに、高齢ニートの存在は兄弟姉妹の結婚にも影響を与えるという。

■24年間ニートの兄43歳と妹37歳のケース

母と兄の生活を支えるため懸命に働いて来た妹の結婚が決まり、婚約者が挨拶に来ると「俺の面倒は誰が見るんだ。破談にしてやる!」と、ニート兄が猛反対。
実際に、1ヶ月後に破談になってしまい、妹はいまだに働いて兄を養っているそうだ。

畠中氏は「ニート兄弟姉妹が原因で破談になるケースは少なくない。結婚相手には、ギリギリまで黙っていることが多く、両家の顔合わせの段階になって、初めて働いていない兄弟姉妹がいるということがわかる。結婚したら支えていかなければならないということになると、それが原因で破談になるケースも」と話した。

社会復帰を目指すニート支援施設も

一方で、「青少年自立援助センター」など、ニートの社会復帰を目指す環境が整った支援施設で、社会復帰を目指す高齢ニートもいる。

社会復帰を目指すキッカケについて30代のニート青年は「20代からずっとニートだったが、“30歳の壁”があった。自分の年齢を自覚して、普通だったら働いて親に返している立場であることに気づいた」からだと語った。

しかし、30歳の壁に気づける人は、まだまだ軽度だと思う。30歳の壁にも気づかず、40歳の山もラクラク乗り越えてしまった、「超高齢ニート」はどうなるのだろうか?

畠中氏によると、60代の高齢ニートもいて、親が80歳をこえ介護が必要になって子どもを養えなくなるというケースが、すでに出てきているという。思った以上に深刻な「高齢ニート」問題。早めに手を打たないと、日本は大変なことになってしまうのではないだろうか?

ニート脱却!その方法は?

畠中氏は「ニートは、放置しても今よりよくなることはない。『時間が、家族がなんとかしてくれる』ではなく、家族一丸となって話し合うことが必要」だと話す。

また、「『ちゃんと働け』とか『頑張れよ』といった感情面の話し合いになりがちだが、親が持っている財産がどれくらいということを明らかにし、それだけでは食べていけないという現実を理解して頂いて、その中で、働くという動機づけを見つける。現実的なお金の話をした方がいい」と、ニート脱却の方法を示した。

MC設楽統は「現在進行形の問題で、完全なる解決策がまだまだ模索中。とにかく話し合って、気持ちの切り替えというか、なにか、”目覚める方向”に持って行くしかないですよね」と語った。

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