日本人はサッカーに向いてない?脳科学が解明する驚きの特性に原因が!

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27日放送のテレビ東京『FOOT×BRAIN』は、「脳科学から看るサッカー上達法」。脳科学者・中野信子氏が語る、サッカーに不利という日本人の特性とは?

日本人の美徳は、スポーツに向かない?

「勤勉であり正確、協調性がある」というのは、世界から称賛される日本人の特性。しかし、美徳ともいえる日本人の特性が、スポーツの世界では弱点となってしまうこともあるという。

中野氏は、「脳というのは中に入っているものなので、気合とかで何とかなると思いがちですが、身長や体重と同じで、気合で脳が育つということはない。その人の脳の性質にあったトレーニングをしなければいけない」と語る。

中野氏が語る”日本人の脳” 3つの特徴

■世界で一番心配性の人が多い
「なんとなく心配性の人が多いのではなく、遺伝子で決まっている」と中野氏。そのカギは、”セロトニントランスポーター”にあるという。

セロトニンは、安心感をもたらし心身の安定に関与する神経伝達物質。「幸せホルモン」とも呼ばれ、将来の心配をしないで楽観的に物事をみたり挑戦していくという精神性の人、本番に強い人の脳の中でよく出ているのだとか。

セロトニントランスポーターは、セロトニンの量を調節するタンパク質で、人はセロトニンの量が多ければ心身が安定する。しかし、日本人はセロトニントランスポーターの機能が低く、セロトニン自体も少ない民族のため、心配性の人の割合が高いという。

心配性の人の割合は、欧米で45%以下、南アフリカは約28%なのに比べ、東アジアは約70%以上。特に日本は、約8割の人が心配性という”心配性大国”。

心配性だからこそ、「先々のことを心配するため、準備をしたり練習をしたり、ここがよくないからよくしようと努力をしたり。世界で一番、準備や努力をする民族で、予測能力が高い」と、中野氏は指摘。世界の中で、日本人が一番貯蓄額が多いというのも心配性によるものなのだとか。

■世界で一番正確性を重視する
中野氏によると「人間の意思決定システムは、反射的に意思決定するXシステム(reflex)と、正確に計算して意思決定するCシステム(calculate)の2通りあるが、心配性な日本人は反射的に判断することにブレーキをかけ、正確性を最優先したCシステムに従おうとする。」という。

「日本人の正確性が一番出ているのは列車。中でも山手線はスゴイ!」と中野氏。山手線1周の到着時間が最も早かった電車と遅かった電車の誤差を10日間に渡って調べたところ、その誤差は、なんとたったの15秒だったという。

「正確さで物事を遂行しようとする国民性は、世界でも類を見ない。しかし、サッカーなど素早い意思決定を必要とする場面では裏目に出ることも多い」と中野氏は指摘する。

■世界で一番失敗を嫌う
日本人が失敗を嫌う理由は、「ドーパミンレセプターの機能が高いことにある」と、中野氏は語る。

ドーパミンは、快感や幸福感に関与する神経伝達物質で、「やる気ホルモン」とも呼ばれる。
ドーパミンレセプター(受容体)は、神経細胞にありドーパミンと結合することによって情報を伝達する。

受容体の機能が高いと満足しやすく(日本人)、低いと満足を感じにくく次々と刺激やリスクを求める(欧米人)ようになるという。

満足を感じにくい人の割合が、特に高い南米で40%、アジアは数パーセントで、日本人は1%未満なのだとか。そのため、チャレンジすることを嫌う、回避するという特性となり「日本人は、成功することが満足でなく、失敗しないことが満足」だと中野氏。

会議などで発言するチャンスを逃したり、自己主張出来ない人は典型的な日本人の脳で、南米の人は逆に「チャレンジしないことがストレス」になるのだとか。

日本サッカーが、攻められない理由

元サッカー選手・福田正博は「守備もやられないようにする。相手のボールを奪うことが一番の守備なんですけど、やられないように足を出さない。ずっとついてればやられないんだけど、足を出すってことは相手のボールを奪えるチャンスでもあるけど、かわされて突破されてしまうというリスクがある」と話す。

また、シュートを失敗した時に観客が出すガッカリした声は、日本人選手にとってはかなりダメージが大きいと、中野氏は指摘。

福田は「欧米などでは、シュートしようとしたチャレンジ精神を褒める。日本人は結果を先回りして考えるため、失敗したことにガッカリする」と話し、中野氏は「(日本人は)チャレンジを褒めにくいメンタリティがあるので、これはサッカーを観ている人たちも一緒に成長しなければいけないところ」だと語った。

遺伝子に組み込まれた特性「解決方法」は?

中野氏は、日本人ならではの解決法として「失敗した時に、チャレンジの失敗ではなく日常の事と捉えることが必要。想定外のチャレンジではなく、全てを想定内にしておいて、当たり前のチャレンジ、当たり前の失敗と考えることが、日本人に適したトレーニング」だと語った。

福田は「そもそも”チャレンジ”と(大げさに)いう事が日本人に合っていないんですね。僕も子供たちに『チャレンジしろ!』って言ってる。間違っていました」と苦笑いだった。

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