最高裁判決に注目が集まる「マタハラ」、男性版「パパハラ」の実態とは?

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女性が妊娠・出産をきっかけに職場で嫌がらせを受けたり、退職をすすめられる「マタニティハラスメント(マタハラ)」。今日の午後下される、マタハラによる降格を違法と認めるかの最高裁判決に注目が集まっている。

23日放送のTBS『いっぷく!』では、「マタハラ」についての現状を特集した。

マタハラ裁判、最高裁の判断に注目が!

今日の午後、最高裁で判決が下されるのは、2008年、広島市の病院に勤務する理学療法士の女性が妊娠を機に降格されたことを不服として提訴したもの。

女性は、妊娠がわかり負担の軽い業務を病院側に希望、異動が認められたが管理職からはずされてしまった。女性は、病院側が妊娠を理由に降格扱いしたことを不服として、提訴したが、1審2審は女性側が敗訴している。

マタハラの実態調査!4人に1人が経験アリ

今年5月、妊娠経験のある20~40代の働く女性300人に調査したところ、4人に1人がマタハラ被害にあった経験があると答えたという。

1986年に施行された「男女雇用機会均等法」では、女性の妊娠・出産を理由に解雇・不利益移動を禁止しているが、出産をしても以前と同じように働きたいという女性の希望と職場の見方には、大きなギャップがあるようだ。

12年前、妊娠を理由にパート先を解雇され「マタハラ裁判」を起こし、1年後和解したという女性は「12年前と何も変わっていないことに驚いた」と語る。

1審2審が見直される見通し?その理由は

今回の最高裁判決は、1審2審の判決を見直す見通しとされていることについて、毎日新聞デジタル報道センター編集委員・元村有希子氏は「最高裁は法律に見合っているかを判断する裁判所で、9月に双方の言い分を聞く弁論を開いている。それを開くということは、2審の判決を納得していませんよという表れなので、みなさんが『見直される』と言っているのですね」と説明。「妊娠を理由に降格されたのは法律違反だという判断を示す可能性がある」と語った。

もし、女性側が逆転勝訴となった場合「この先、被害者が出た時、裁判所はこの判例をもとに判断をすることになりますから、女性側にとっては大きな一歩。前例が出来たわけですから。とても大きな意味を持つ」そうだ。

出産退職する女性は年々増加している!

ある調査結果では、結婚・出産後も仕事を続けたい女性は、84.6%で、年々増加しているという。
その一方で、出産退職する女性の割合も年々増加傾向にあるという。男女雇用機会均等法が制定された直後の1985~89年は、37.4%だったのに対し、2005~09年は、43.9%とジワジワと増加している。

この状況について、少子化ジャーナリスト・白川桃子氏は「雇機法というのは、『女性が男性と同じになれば、24時間365日同じように働けば、認めてあげるよ働くこと』という感じの法律だったので、やはり不十分だったのかなと思います」と語る。

さらに、「リーマンショック以降、解雇などで職場の人手が少なくなって厳しくなっている」ことが、近年の増加に拍車をかけていると指摘した。

雇用する側の意見は?

雇用する側の意見として、ジャスト・ギビング・ジャパン代表理事・佐藤大吾氏は「男性女性関わらず、企業側は教育や投資をして一人前にした社員に辞められては経営的に痛手。男女とも、出来るだけ長く働いてもらいたい。企業側も女性が働きやすい環境を作っていかないと、女性社員が来てくれない会社になってしまう。女性の意見を聞いて、どういうものが必要なのか体制を作っていかないといけないんじゃないか」と語った。

元村氏は「マタハラって、理解のない上司が一方的に言葉を投げつけて嫌がらせをしていると取られがちですが、意外と上司は心配して言っている。『あなたのためだから』とかであったり。あるいは、周りの女性たちからの理解が得られないこともあって、結構根が深いかなと思うんですね」と指摘。

「ただ、育児休業を取ったり、時間短縮で働いている人の人件費が浮いてるんですから、それを周りの人に労働を担ってもらうとか、有効に活用できるはず。なのに、一方的に損だと決めつけてしまのがとても失礼だと思います」と語った。

白河氏は、周りの人が気を付けることとして「悪意があってもなくても、ポロッと出てしまうことはある。それが、相手を傷つけ、妊婦側が気にし過ぎて、頑張り過ぎて流産につながってしまうこともある。まずは、自分の中に差別の意識があることを認める。認めて気を付けることをしないとスタートできない」と語った。

こんな発言はNG!周囲が言ってしまいがちなこととは?

■タイプ別4つのマタハラ

昭和の価値観押しつけ型 「子供のことを一番に考えないとダメだろう」「女は家庭に入れ」

言葉によるいじめ・無視型 「迷惑」「自己中」「休めていいよね」

パワハラ型 「夕方帰る正社員はいらない」「妊婦は病気じゃない」

追い出し型 「残業できないと他の人に迷惑」「妊婦を雇う余裕はない」

「マタハラ」男性版「パパハラ」とは?

また、出産後、育児をしながら働きだしても、家事・育児に加え保育園の送り迎え、子供の病気など、急に仕事を休めるか?早退・遅刻が出来るか?という女性の不安は尽きない。

元村「なんでそれを女性が全部担わなければいけないんですか?夫がどこかにいるわけでしょ?なんで送り迎えとか家事とか、夫が出来ないんですか?」

白河「それは、今、”パパハラ”と言われています。育児をしたいという若い男性が増えているんですが、例えば『子供が病気だから会議休みます』。女性の場合は少し認められたりするんですが、男性が言うと『お前、どこの星の人だよ』と言われてしまう」

30年前にオジサンたちが作ったであろう時代遅れの「男女雇用機会均等法」。見直す必要大だが、ワインやウチワで揉めているようでは無理かもしれない。

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