退職金が底をつく老後破産が急増中…注意すべき「谷間の5年間」とは?

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13日放送のフジテレビ『ノンストップ!』では、最近、ニュースや週刊誌などで多く取り上げられる老後破産を特集。定年退職後、退職金も貯金も底をつき、破産状態になってしまう老後破産のキッカケとなるものとは?

悠々自適な老後は、サラリーマンの憧れ!

「定年退職後、退職金をどう使いますか?」という質問に、新橋のサラリーマンたちは「退職金で家のローンを完済して、残ったお金で田舎で喫茶店でもやりたい(40代男性)」、「クルーザーを買う。今まで働いて来た自分へのご褒美として(50代男性)」など、老後を豊かに過ごしたいという夢を語る。

一方で、「子供の学費や家のローンも残ってる。どうやって命をまっとうするかって思っています(50代女性)」という切実な意見も。

急増する老後破産!そのキッカケは?

厚生労働省によると、年金も含め年収が150万円未満の65歳以上のシニアは200万人。豊かな老後どころか、定年退職後、退職金も貯金も底をつき、破産状態になる老後破産が急増しているという。

老後破産に陥るキッカケは「谷間の5年間」と呼ばれる、定年後60~64歳までの”年金の受給額が、普通に生活するために必要な金額より少ない期間” にあるという。

2001年から変わった年金受給の仕組み

年金が貰える仕組みは2001年から段階的に変わっており、2013年の「家計調査」によると、シニア夫婦が1年間にかかる生活費約300万円(月25万円)なのに対し、現在61歳から年金受給をスタートさせると、61~64歳までの4年間は、約100万円(1ヶ月約8万円)しかもらえないのだそう。

特に、働いている間は給料が高く、それなりに贅沢な暮らしをしていた人は、年金だけの収入になっても生活のレベルを下げることが出来ず「谷間の5年間」で、退職金や貯金を切り崩してしまうケースが多いのだとか。

ファイナンシャルプランナー・紀平正幸氏は「年金が大きく減るような時代になってきたため、今後も老後破たんは増えると思う」と語る。

経験者が警告「退職金は大切に使え」

大手鉄鋼会社に40年勤務していた櫻井さん(67歳)は、5年前、妹夫婦と共同で家を購入し、自宅一階を音楽が聴ける喫茶店に改装して開業した。

「持っていた家を売ってプラス退職金の半分をあてた。これから、そんなこと考えてる人がいたら、そういう無謀なことはやめた方がいいよと。退職金は大切に使いなさい」と櫻井さんは語る。

一番いい時で、年収1500万円ほどだったという櫻井さんだが、現在の喫茶店の収入は「正直言いたくない。ボランティアでやっているようなもの」

番組が取材した当日は、営業時間5時間で、来店した客は6人、売り上げは4550円。「利益が出たら経費で年1回旅行しようよ、とか言っていたんですよ」と櫻井さん。悠々自適な生活を送るつもりが、現在は年金を切り崩し店の維持費に回しているそうだ。

投資に失敗して、退職金が…

また、紀平氏への相談で特に多いのが「退職金を投資につぎ込んで失敗するケース」だという。

「子供や孫のために1円でも財産を多く残したい」という思いで、退職金3000万円を全額つぎ込んで株に投資したものの、リーマンショックで大暴落。その損失を取り返そうと、さらに手を出し、結局手元に500万しか残らなかったというケースもあるのだとか。

「普段余っているお金でやればいいが、退職金など大きなお金が入って来た時にドンとつぎ込むから、ケガも大きい」と紀平氏は指摘する。

老後破産を防ぐためにやることとは?

紀平氏は、老後破産を防ぐためには、「谷間の5年間は夫婦で月30万円稼ぐ」ことだと語る。

ペットシッター歴20年の古田さん(72歳)は、53歳で「愛犬のお散歩屋さん」を起業。1日3時間、犬の散歩をビジネスにしているという。

「45歳の時、このまま退職金と年金だけでは生きていけないだろうと不安を抱いた」と話す古田さんは、52歳で大手化粧品メーカーを早期退職。自動車保険の会社を立ち上げたがうまくいかなかった。

そんな時、犬の散歩の途中、近所の奥さんから「うちの犬も見てくれないか」と言われ、「もしかして仕事になるかも」と半信半疑でお散歩ビジネスを始めたのだとか。

電話1本で出来る手軽さと、健康にもいいということでシニアの希望者が続出。現在は70店舗ほど”支社”があり、「頑張っている所は、月30~5,60万稼ぐ」そうだ。

「やはり若い頃から、先、先を考えて行動していかなければ、私は老後破産になってしまうんじゃないかと思いますよ」と古田さんは警告する。

老後破産しないために、守るべきポイントとは?

紀平氏が語る「老後破産しないための3つのポイント」

■借金はしない!
「事業をやろうとして、お店を構えたり会社を作ったりすると、退職金をつぎ込んだり借金をしないといけない」と、紀平氏。

■退職金には手を出さない!
紀平氏は「谷間の5年間は大きな買い物を控えた方がいい。また、年金生活に慣れるよう、家計をダウンサイジングしないといけない」と、無駄遣いを極力避けることをアドバイス。

■元気なうちは働く!
「最も大事なことは働くという事。60歳以降も年金は出るけども働く。国も60歳以降働けるような環境づくりや、パートでも厚生年金に加入できるような政策をとってますので、なんとかそういうことをやっていってもらいたい」と紀平氏。

若くて元気なうちはなかなかそこまで考えが及ばないが、誰もが迎えることになるのが「老後」。悠々自適…まではいかなくとも、普通の生活が出来るようにはしたい。

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