一夜で預金が消える恐怖!ネットバンキングで「不正送金被害」が激増

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4日放送のNHK総合『クローズアップ現代』は、「預金が消える」というかなりコワイ特集。昨年の被害額が約30億円というインターネットバンキングを狙った「不正送金」について検証した。

便利なネットバンキングに潜む危険性!

24時間利用可能で、手数料も安いことから利用者を増やすインターネットバンキング。しかし、今、ネットバンキングの預金者になりすまし、別の口座へ送金する「不正送金」が急増しているという。

警察庁によると、2012年に4,800万円だった「不正送金」による被害額は、2013年に14億円を突破、2014年には、約30億円という深刻な被害をもたらしている。

2014年に被害にあった金融機関は、メガバンクから地方銀行・信用金庫まで100を超え、個人はもちろん中小企業にまで被害が広がっているそうで、犯人は、利用者のパソコンにウィルスを感染させ、パスワードなど本人確認に必要な個人情報を抜き出すという。

一晩で預金が根こそぎ持っていかれる…

実際に被害に遭ったというネットバンキング利用者の男性は、ログインした際、見たことがない画面が出現し「セキュリティ強化のため」というメッセージに従い、パスワードや個人情報を入力したという。

翌日、「預金に不審な動きがある」という銀行からの連絡を受け、通帳記帳したところ、1回の限度額50万円ギリギリの送金がいくつもあり、一晩で350万円が抜き取られていた。

実は、出現した画面は感染していたウィルスが表示したもので、男性は記帳した通帳を見た時、「さーっと青ざめた。最新のセキュリティソフトを入れていたのに、恐ろしい世の中…」と力なく語った。

企業は金融機関が補償してくれない場合も

また、社員数人の中小企業では、2年分の利益に相当する2,000万円があっという間に奪われたが、金融機関は会社のセキュリティ対策が不十分とし補償はされなかったという。

金融機関の被害対応は、
■個人・・・重大な過失がなければ被害を補償する。
■企業・・・個人より高いレベルのセキュリティ対策を求めるため、補償なしや減額も。

両立されていない、利便性と安全性

深刻化する「不正送金」被害への対抗策として、南都銀行では、パソコンとスマホによる二重認証や一部の即日送金を廃止し、送金依頼があると預金者本人にメールで確認するという方法を開始。

しかし、利便性を求める利用者からはクレームが寄せられ、安全性と利便性を両立させることに担当者は頭を悩ませているようだ。

神戸大学大学院・森井昌克教授は、「日頃と違う画面が出てきたり、操作を求められた時はやめる。常に自分は狙われていると意識することは大事」と注意を促した。

大事な預金を守るための対抗策は?

森井教授が実際に行っているという対抗策は、

■貯蓄用の口座、決済用の口座を分け、貯蓄用はネットバンキングを使用しない

■その都度パスワードを変える「ワンタイムパスワード」というシステムを利用

■南都銀行が導入していたようなスマートフォンを使った認証を使用する

「不正送金」は、海外から組織的に行われていて、主犯の摘発には至っていないのが現状。森井教授は「日本人のセキュリティ意識が低いということが全世界に知れ渡っている。また、日本は口座の数も多く、預金高も高いことで、世界中から狙われやすくなっている」と警告した。

被害額1,000億円!欧米ではさらに巧妙化

さらに、欧米では直接金融機関にサイバー攻撃をかけ預金を抜き取るという手口で、その被害額は、なんと1,000億円。現在、インタポールを中心にした国際的な連携もとられ始めたという。

日本でも「銀行が連携し対策を進めているが、まだまだ不十分。さらなる一層の対策が求められる」と森井教授。

また、ネットバンキング利用者の” セキュリティ意識の低さ”について、森井教授は「利用している方は、画面が銀行だと思っているかもしれませんが、実はインターネットの奥の方に銀行がいる」と、説明。

さらに、「普通は、道を歩いて行って銀行でお金をおろしたりしますが、ネットバンキングもインターネットという”道”がある。画面を銀行だと思い込んでいるという所が一番意識が低くなってくる理由」と注意を促した。

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