シェア

有望な市場が奪われる?米国発のビジネスが“日本茶ブーム”を牽引

teavana

teavana

トンビに油揚げをさらわれる

米国で少しだけ暖かくなった懐事情。そこに目をつけたビジネスが活性化している。

そしてそのような市場では、国内ではごく当たり前であっても世界標準から見たならば非常に高品質な日本のビジネスは、以前にも増して米国の消費者に魅力的に映るようになり、それが「クールジャパン」など現在の日本ブームの大きな追い風となっている。

しかしその好機に、実は日本のビジネスは乗ることができておらず、有望な市場は競合にさらわれてしまっている現状をご存知だろうか。

「ワイルドスピード」というアクション映画がある。主人公らが日本車を駈り改造を楽しむ姿が若者の共感を得たことで、これまでに7作が公開された人気シリーズだ。

しかし映画の人気に目をつけた欧米のメーカーが映画に出資したことで、日本車は徐々にその出番をなくしていった。

この映画に使用された日本車は中古車の販売価格も未だに高い。しかし日本のビジネスに甘い汁は流れてこないままだ。

このようにせっかく様々な分野の日本のビジネスが海外での成功のチャンスを得られていたのに、しかし手をこまねいている間に優良な潜在市場をさらわれてしまう。

実はこのような事例は頻発している。

Instagram / momolongplay

Instagram / momolongplay

ニューヨークのラーメンブームは、スシのように職人を必要とせず開業が可能という事情があるためだし、市内にある人気のスシ教室は、経営も講師も日本人ではない。

アイドルブームはアジアからの進出組が勢力を増しており、これはマンガやアニメも同様。

そしてなんとそれらの製作には、かつて日本国内で不遇な時期を過ごした下請けの制作者たちが関わっているという。

お茶はアメリカの飲み物に?

今、米国では「お茶」が改めて脚光を浴びている。

これまでは甘くない飲料なんてと、中国人だけが飲むものとしてしか見られていなかった。

しかしここ最近では、健康志向と日本ブームにより、改めてお茶に注目が集まっている。

味や香り、そして見た目もと、欲張った要求を満たす良いお茶が今米国では求められている。

shareimg

teavana

ここ数年は、毎年10%近くもの伸びを示してきたお茶の市場。

しかし信じられないことに、この市場を引っ張っているのは日本のビジネスではない。

業界を牽引するのは大手のティーバナ(Teavana)、そしてスターバックスが展開するタゾー(Tazo)といった米国発のビジネス。

さらにそこに参入してきているのは、欧州からのより高級なお茶を扱う新進企業たち。

teavanatea

teavanatea

日本の老舗が食い入る余地などまったくなさそうな状況だ。

ニューヨーク市内だけでティーバナは9店舗、米国全土では350店舗以上に達する。

方やタゾーは今やスターバックスの参加といえばその規模も想像できるだろう。

P1050160

Photo : NYCOARA

かつて伊藤園は苦労の末にニューヨークから無糖のお茶のペットボトルという新たな市場を生み出した。

しかし、健康的かつ一番おしゃれな飲み物となった途端に競合たちはすぐに行動を起こし、この市場で積極的にビジネスを展開している。

tazo

tazo

一方日本のビジネスはどうしても後追いとなる。屋号や称号、看板やのれん、そして歴史といった自らの「ブランド」を非常に重視する日本の老舗ならではの特徴は、結果として自らのビジネスに縛られてしまっているかのようである。

自らが動かなければ成功はおぼつかない

品質は良いけれど少し値が張る。こういうものを潤沢に購買できるのは先進国の市場でしかない。

そして日本のビジネスはこのような市場に適切だ。

しかし何もしないままでいることから、そのようなビジネスチャンスを全く享受できていない。

shareimg1

teavana

非常に有望な「ちょいリッチ」市場においては、日本ビジネスは1歩も2歩も遅れを取っているのが現状。

苦労して市場を開拓して、しかし美味しいところは持っていかれてしまっている。

teavanatea

teavanatea

どのケースにおいても、あまりにももったいないとしか言いようがない。

意欲と先見性の高い日本のビジネスマンの出現を期待したい。

Posted: |Updated:

Text by

前の記事を見る

次の記事を見る

注目の記事

Ranking