人間のサポート無しに地下鉄を乗りこなすスゴすぎる野良犬登場!ヒトと共存への道:ロシア

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Flickr_AlphaTangoBravo / Adam Baker

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もしあなたがモスクワの地下鉄の利用者なら、時折り犬の乗車を見かけるかもしれない。人間の同行者を持たずに、都心への便利な移動方法を発見した野良犬たちだ。そう、モスクワの野良犬たちは都会暮らしに順応するため、祖先の狼さながらの知能とカンを強いられている。結果、なんと複雑かつ巨大な地下鉄システムを理解し、同じ駅で乗り降りするするようになったのだという。

生態・進化学のセベルツォーフ研究所で30年間、野良犬を調査してきたAndrei Poyarkov氏によると、ロシアの首都には約35000匹もの野良犬がいる。年月が経つにつれ、野良犬たちからは“ぶち”模様が消え、尻尾を振る事をしなくなり、友好的な振る舞いがなくなった。同時に野良犬たちの社会構成は劇的な進化を遂げ、番犬、腐肉食、野生、物乞いなどに特化した、4つの性質のどれかを持つに至ったそうだ。

番犬の特質を持つ野良犬たちは、モスクワに数多く存在するセキュリティゲートの人間の門番を付け回し、たまに番犬の“仕事”をしながら、おこぼれに与る。腐肉食の野良犬たちは街を徘徊し、ゴミを食い散らかす。一番オオカミに近い、野生を取り戻した犬たちは、夜の暗闇でネズミやネコ狩りをする。

だが、物乞い犬だけは、とても特別な振る舞いをするようになったのだという。通勤車の食べ残しで生きている彼らは、どんな人間が食べ物をくれるかを見抜く目を持つだけではなく、地下鉄を乗りこなすまでに進化した。車掌がアナウンスする駅の名前を覚え、駅の匂いを嗅ぎ分け、自分のテリトリーとするのだ。さらに驚異的な進化は、アルファメールであるリーダーの存在だ。従来の狼の群れは強い個体がリーダーとなるが、物乞い犬に限っては頭のいい個体がリーダーとなる。

野良犬の進化は少なくとも1800年代から始まり、それは生死を問うものすごい選択圧の下にあった。Poyarkov氏によると、たいていの野良は捨てられたペットだったという。そして今や野良犬の約3%ほどしか生殖年齢にまで至らない。人間社会を逞しく生き延びるには、今の所、上に挙げた4つの“適犬”である必要があるのだ。

しかし人工の“自然環境”で生き残るための戦術とはいえ、地下鉄まで乗りこなす野良犬が登場するとは。いやはや、生物の環境への順応性たるや計り知れないものである。

englishrussia.com

 

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