暗号と未知の文字で記された謎の古文書。インチキだと思われていたヴォイニッチ手稿は本物だったと判明!

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1912年にウィルフリッド・ヴォイニッチがイタリアの修道院で見つけたとされる古文書をご存知だろうか。ヴォイニッチ手稿と名付けられたそれは、類を見ない未知の言語で記されており、長い間ヴォイニッチ自身が作成した“いたずら”ではないかと思われていたそうだ。けれど長年の汚名返上の時が来た! 今回米科学誌Plos Oneに掲載された研究では、この古文書は統計的に意味を為す文体を保っている事が証明された。…その意味は未だ謎であるにしろ。

ヴォイニッチ手稿の書記素は、既存の言語に類似した型がなく、誰かが作ったニセモノだと思われていたのも無理は無い。ほぼ全てのページには植物のイラストがあり、その全てが地上に存在しないことも謎に拍車をかける。放射性炭素年代測定法から、この古文書は1400年代に作られたものだと断定されているが、そこに記された文字が同年代に書かれたものという証拠が得られず、発見者のヴォイニッチ自身による偽造ではないかと疑われていた。現在においてさえ、その文章に意味があるのか、それともただのデタラメなのかの判別が付かなかったぐらいだ。

この謎の言語の解読をするため、英マンチェスター大学の理論物理学者Marcelo Montemurro氏率いる研究チームは、文字列の単語パターンに注目。特定の単語が何度文章上に現れたかを知る事で、意味合いを把握することが出来る。研究チームはコンピューターアルゴリズムを使って“エントロピー”として知られるパターン分布を古文書から数字で弾き出し、既存の言語と比較。分析の結果、全くのデタラメではない複雑な言語像が浮かび上がったのだという。また研究チームは、この古文書はジップの法則(単語の出現頻度がk 番目に大きいと、それが全体を占める割合が1/k に比例するという経験則)にも従っていると発表。これらの要素を踏まえ、研究者らはヴォイニッチ手稿は偽造ではなく、何らかの情報が書かれたものだと断定した。

さて、インチキではなかったと証明された所で、謎は更に深まるばかり。誰が、一体何のために、存在しない植物など書き記し、しかも使われた言語はどこから来たのか。大昔にオタクな若者が遊びで作ったものだったとしたら、ひそかに笑えるが。(追記:ヴォイニッチ手稿は全文が見られるそうなので、ここにリンクしておこう→http://www.voynich.com/folios/

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