マッドサイエンス?人間の頭部を切り離し、別の肉体への移植は技術的に可能になりつつあるらしい

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YouTube/Ronni Thomas

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この記事は倫理的な問題を想起させる研究内容で、動物の命を粗末に扱ってきた(グロい)例を取り上げるので、嫌な予感がした方はこれ以上読まれない事をオススメする。

“頭部を首から切り離し別の肉体へと移植する”という、まるでフランケンシュタインのような、手術が実際に何度も動物で行われてきたのをご存知だろうか? 「以前、動物実験では“成功”した」と語るのは、トリノ・アドバンスト・モジュレーション・グループのサージオ・カナベロ博士。彼はSurgical Neurology Internationalに掲載された論文で、これをヒトに応用する方法を記載した

頭部の移植が世界的に広まったのは、1970年に米オハイオ州の脳神経外科医ロバート・ホワイト博士が、アカゲザルを使った実験からだろう。彼は一頭のアカゲザルの頭部を別のアカゲザルの肉体へと移植。驚くことに手術自体は何度も“成功”。目覚めたサルは視覚・聴覚・味覚・触覚などの感覚を維持しており、最長で8日間も生き延びたらしい。…ただし、脊髄の神経の損傷により、サルの首から下は麻痺したままだったが。(閲覧注意:YouTube参照

カナベロ博士のヒト頭部移植の手順も、基本的にはホワイト博士の動物実験と似たような形式を伴う。まずは、ドナーとレシピエントは同じ手術室にいる必要がある。そしてドナーの肉体とレシピエントの頭部を15〜12℃にまで下げ、心臓は完全に停止した状態で、切断から1時間以内に血管を繋ぐ。その後首を縫合し、心臓を再起動させ、脊髄神経を含む他の生命維持システムを結合するというものだ。

一番の壁は脊髄神経を結合する事だろう。今まで動物実験では、部分的な脊髄神経の結合はラットの研究で成功しているそうだが、首を完全に切断された状態からの脊髄神経結合は動物でも為されていないらしい。カナベロ博士の方法は、鋭いナイフで可能なだけ首をきれいに切断するというもので、そうすると神経線維同士が融合しやすくなり、より多くの脊髄神経を素早く繋げられるのだとか。さらに彼はプラスチックのような接合材ポリエチレングリコールを使う事である程度の脊髄神経の回復は可能だと述べている。これも犬の実験では成果が出ているが、実際のところ人間では無謀だという声が大きいようだ。

もしカナベロ博士の方法が確立されれば、脳死患者の肉体に下半身不随となった患者の頭を移植する未来だってあるかもしれない。しかし人間の頭部移植は技術的にも憶測の域を出なく、倫理的な物議を醸すものでもあり、すぐには受け入れられる手術法には到底ならないだろうが。

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